第3話 (その4)
次に目が覚めたとき、まだ窓の外は暗いままだった。雷がやけに近くで響いて、その地響きのような音で私は驚いて目を覚ましたのだった。
気がつけば、シーツにくるまっていたのは私一人だけだった。
それでも、ついさっきまでそこに誰かがいたかのように、私のすぐ隣がまだ少し温かかった。雨は眠りにつく前よりもさらに強く窓を叩いていて、そんな中で暗闇に怯えて私のところにやってきた妹が一人きり自室に戻っていったようにも思えなかった。
私はそろそろと寝台から這い出して、そろりと足音を忍ばせるようにして廊下に出た。
どこかで、雨の音がしていた。窓を叩く音とは違う、地面や木々の葉を穿ってさざめいている音。
バタン、と戸板が風にあおられて音を立てているのが、廊下の向こうから響いてきた。そっとそちらの方に近寄ってみると、バルコニーに出る硝子戸が開いているのが分かった。
私はそれを閉めようとする。――雨風が遠慮なく吹き込んでこちら側の床をしたたかに濡らしていたからなのだが、戸のノブに手をかけようと身を乗り出した私の頬にも、やはり雨粒はしたたかに叩きつけてくるのだった。
私はふと思いついて、雨の叩きつけるバルコニーにそっと足を踏み出した。
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