僕は赤色が見えない

僕は赤色が見えない。だから、彼女の名前である〝緋色〟がどんな色なのかわからない。「ねえ、緋色って何色?」「黄色っぽい濃い赤かな」「わかんないや……」緋色は悪くなんてないのに、申し訳なさそうに眉尻を下げる。「ごめん。私、今、貴方の見える〝緋色〟が私だけで良かったって思っちゃった」

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