念念:蓴羹鱸膾と書けですと?

「アテジくん、チーム斎藤漢字研究会の祖として

君を倒さねばならない。覚悟は出来たかね?」

アテジの攻撃:イコミキの書き。

→斎藤尊の回答。已己巳己「フン! 笑止千万!」

斎藤尊の攻撃。ジュンコウロカイの書き。

→アテジの回答。XXXX

「あれほど世話になった蓴羹鱸膾も、書き問題にされたら馬耳東風じゃろう。

まあ、ファイターで蓴羹鱸膾の正しい読みを答えられる者は

ざらにはおらんよ。卑下なされぬように。

あー、古都バンクで購入したアレはどうやって使うつもりかね?」

「鬱+ん」と言う難読の宝刀。しかし、チーム斎藤漢字研究会は

全ての漢検ファイトを観戦済みだ。

「鬱蒼と生い茂る」「鬱陶しい奴」

斎藤尊が伝家の宝刀の錆に着目する。

「そう言った使用例から紐解いて行けば、いつかは正答に辿り着く難読漢字。

ここで最後の砦を壊すほど、儂も老いぼれてはおらんからの。

まあ、君くらいのファイターは日本に五万と居る。

でくのぼうに、大切な孫娘をやる訳にはいかんのう」

饒舌に語った後、無言で玄関を案内する斎藤尊。

夢にまで見たルビさんとの縁談が破談になった瞬間だった。

漢検ファイターとして認められることが婚姻の条件だったのに

童心もイマジネーションも駆使出来なかった。

確かに漢検ファイトでは、頂点であるグランプリに輝いた。

沢山沢山、予習復習も繰り返した。最大限の努力はしたつもりだった。

已己巳己なんて出題している場合じゃなかった。

蓴羹鱸膾と完璧に書けるようになっておくべきだった。

最大限の努力と断っても、出来ることは次から次へと。

漢字は表現のスポーツだ。識字能力の高い国民性が

今回のような祭典を生んだ。

僕はいつも3回戦辺りで中程に難しい漢字が書けずに

足掻くことも無くギブアップしてきた。

漢検ファイトは、1年後まで動きは無い。

でも、君は知ってしまったんだろ?

「鬱+ん」の正しい読み方を。百万円の雑学を大切に!

※斎藤漢字研究会に敬意を表して、英語変換は控える形を採る。

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