第11話  筑紫の恋風

 前述させて頂いた物と同じ、


 福岡生まれ、


 彼方は靑、


 此方は紅、


 咲き始めは、


 此の様に淡い色、


 咲き終わりに向い、


 少しずづ、


 其の色に染まっていく、


 前回の<風>、


 其方もそうで、


 少しずつ、


 染まった色であり、


 咲き終わりに近く為り、


 其の色に染まった者。



 無垢な淡い色、


 此れは、


 此れで、


 捨てがたい、


 咲き終わりに、


 紅に染まった其の姿、


 此れも、

 

 此れで、


 捨てがたい、


 其の、


 一瞬、


 一瞬、


 同じ姿を、


 留めない、


 時間を切り抜き、


 其の一瞬を、


 切り抜いた物、


 人が、


 同じ姿を、


 留めない、


 其れと同じ、


 白を纏いて、


 ほんのり紅色を、


 湛える姿、


 其れが、


 筑紫の恋風。



 其の姿は近況に脚をお運び戴ける事を願って。

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