四通目

 良く晴れた日の朝の事です。空を横切る鳥の群れを見ました。

 渡り鳥だったのかもしれません。群れをなして北への向かう彼らをただ眺めていました。

 季節は冬へと向かっていきます。街を歩く人々も冬の備えを始めているのでしょう。気がつけば、街はハロウィンの彩りを帯び始めました。

 先日の事です。この前の手紙で書いていた友人に会ってきました。彼女は相変わらずの装いで、近況報告をしてきました。

 彼女は相変わらずの口調ではありましたが、新しい門出の話を始めました。私は黙って聞き役に徹しました。

 時は着実に動いているのを実感しました。それは私や彼女の意志とは関係なく、否応なくそれに合わせて生きていかねばならないのだと、彼女の話を聞いて思いました。

 旅立つ彼女になんと声をかければ良いのか、今も思い悩んでいます。もし、何か良い言葉があれば教えて頂けると幸いです。


 どこかへ住処を見つけた鳥達の黄昏れに。敬白

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