第10話 ダッシュで洗う
今日は朝イチから会議なのに、寝坊してしまった。顔も洗わず、朝食もとらず、猛ダッシュで家を飛び出した。
夜中に降っていた雨が水たまりとして残っており、避けながら走る。
「どうしよう。遅刻だ」
走っている横をバスが通り過ぎた瞬間、水しぶきが舞った。
この瞬間、僕は顔も心も洗われた。
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