猫屋敷は空き家問題を解決するのか

佐久ユウ

第1集 猫型ロボット

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 猫型の警備ロボットは、飼い主より長生きする。

飼い主不在ロボットの譲渡会が行われるが、新たな飼い主は最新型を求めるので、旧型ばかりが残される。ロボット愛護法ができ、リサイクルできなくなった猫型たちは、空き家を管理するようになった。

今では、そう言う家を猫屋敷と呼んでいる。


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 本物の猫がどういうものかは知らない。ミーちゃんのボディは強化樹脂、頭部と尻尾はリサイクルポリエステルで出来ている事を除けば、猫としか言いようの無い動きをする。私には本物を持つ権利が無いがミーちゃんは病室には連れていける。だから本物より良いんだと、言ったのは誰だったかな。


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 祖父の最後を見送ったロボット猫は愛護法で旅立てなかった。一緒に燃やすのは持続可能的ではないとか、なんとか。かと言って我が家には亡くなった父方の祖母、母方の祖母、祖父、叔父、それと父、母、姉、弟、私の分を入れて10匹目、父母姉弟は死んではいない。流行りに乗っての多頭の末路。


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 ロボット愛護法のおかげで、使われなくなった猫ロボットがスクラップになる事は少なくなった。一方で多頭飼いが問題化している。とは言ってもエサ代、電気代はいらない。水を与えればエネルギーを作り出し、勝手に動く。だから近くの川に「猫に水を飲ませないで下さい」という看板が立つんだな。


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 「映えるスポット!猫の行列!」「一斉に水を飲む姿が愛らしい!」とマスコミが取り上げ、河川敷は猫、猫の飼い主、見物客で溢れている。「猫に水を飲ませないで下さい」の下(ロボットの事です)と太書きされた看板も草むらに隠れている。見物客も増え、チラホラと屋台も見える。まさに招き猫。

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