第7話オイシックスの休み時間
オイシックスの休み時間はみんなの話を聞ける絶好の機会だった。豪志は他人の人生の話を聞くのが大好きだった。
身体障害、精神障害両方を持つアラフォーヘテロのヨネダ君は、東洋大学英米文学科卒であり、しばしば哲学的な言い回しで豪志を驚かせてくれた。
「最近、南柏のアナン君来ないねー」と豪志がヨネダ君に話しかけると、
「彼には彼の人生がある」とかわした。
「ヨネダ君の障害って先天性なん?」
「身体はそうだが精神は違う」
「俺は高校時代めちゃめちゃイジメられててな。障害を持ってるわりに頭が良くて成績が良いから目立ってたんだな」
「毎日学校に行くたびに不良どもにボコボコに殴られてカネまで取られていた」
「極めつけは成人式だ。不良たちにボコボコに殴られて、イチモツをクチの中に入れられて無理やり口淫させられた。そいつは俺の口の中に射精までしやがった」
「その日以来俺はパニック障害になり、精神科に通うようになった」
その不良はホモだね。ヘテロのヨネダ君には地獄だったね。と言いかけたが止めた。みんな大なり小なりヘビーな人生を歩んで来たのは分かっていた。
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