第9話 貫く剣は贖罪の印 (0)/ しょうねんとおうじょのやくそく

 ああ、願いは叶った。

 彼女はハラハラと美しい涙をこぼして俺を見下ろす。ずっと君に殺されたかった。そのためだけに俺は生きてきたのだ。だって、君に殺されれば俺は救われるのだ。貴方のいない世界で、俺はいきてはいけないのだから。


         ――■■■■END名『俺を貫くその剣は、贖罪の証』より抜粋






 緑色の瞳を持つ『剣人クシウス』の少年がいました。

 父も母も『剣人クシウス』で、この国で貴族の庭の整備をする庭師の職を営んでいます。少年はその若葉色の瞳から連想されあるように色植物の世話が上手かったものですから毎日両親の手伝いをしていました。

 そんな少年の些細な楽しみはたまに街外れの騎士館にやってくる青い目の女の子と遊ぶことです。迷子になった女の子を騎士館に送り届けたのが少年と女の子が仲良くなったきっかけでした。

 少年は女の子の青い瞳が好きでした。

 王様の瞳が氷の大陸にある氷のような青さだとすれば、女の子の瞳は晴れ渡る空のように美しい色をしていたのです。

 そんな青い目をもつ女の子と少年は、周りのように騎士団ごっこではなく庭師ごっこをして遊びます。

 騎士館にある植物の手入れをして遊ぶのです。そこに咲く色とりどりの薔薇の花は、女の子のお気に入りでした。

 いつしか少年は騎士館の出入りが許されるように、他の同い年の子供達と共に騎士達に剣の稽古を受けるようになっていました。『剣人クシウス』達の子供の多くが同じように訓練をうけますが、名誉ある騎士団に入ることができるのはほんの一部でしたが、少年は騎士団に入ることができるとすぐに噂になりました。

 少年の両親はとても喜びました。

剣人クシウス』にとって騎士団にはいるのは名誉あることだったからです。

 しかし、少年はちっとも魅力的に思いません。

 少年は腕がたちましたが、庭師として屋敷の薔薇を手入れする方が好きだったからです。

 剣の稽古をするばかりで、あの女の子と遊べなくなっていましたから、余計につまらなかったのです。


 ある日、少年が訓練をしていると王がやってきました。騎士団長と話した王は少年のもとにやってくると声をかけました。

「君は騎士団に入りたくないと聞いたが」

 少年はその言葉に頷いて、ことの経緯を説明しました。すると、王はおかしそうに笑うと少年を騎士館の中に招きました。

 絵画や花が飾られた明るい廊下をぬけ、広間の扉を従者が開きます。暖炉の上には白い薔薇がいけられ、その上には同い年くらいの女の子の肖像画が飾ってありました。


 ――その肖像画は、あの女の子でした。

 少年が驚いていると、王は揶揄うように告げます。


「君は娘のお気に入りの友人でな。君が護衛になってくれればきっと娘も喜ぶだろう」


 その言葉に少年は頷きました。


 そうして少年は王女の騎士団の一員として選ばれました。

 王国騎士団に選ばれたものはみな、『鞘人コリウス』である王族から剣を取り出してもらい約束と言う名の誓いを立てます。

 美しいドレスをきた青い目をした女の子――王女はユージンから剣を取り出すと、微笑みました。


 どうか、この剣で国を守ってくださいと。


 少年は頷きました。この国を守ることは王女を守ることだと信じて疑わなかったからです。





 しかし、■■■■■■は魔女■■■。王の死後、■■は■を■み■■にはしったのです。

 少年は■■られません■■■が、遠征から帰ってきた折に■■を見てそれが■■なのだと■■しました。逃げてきた■■や第一■■の告げた言葉に、少年は憤りました。

 ■■■や『■■』達は魔女である■■■■を討つために立ち上がりました。■■に選ばれた少年たちもまた魔女となってしまった■■を■つために■■をしました。


 そうして、少年たちは、魔女を■■えて■で■■■■きました。できるだけ痛くないように選ばれたのは少年の■■■■。

 魔女は穏やかな■■を浮かべていました。その■■など、■■■■を■■少年には■■できません。


 いいえ、きっと■■してはいけなかったのです。

 少年であった青年が■■しても、あの頃に■■■■のですから。


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