第3話 一歩
やはりといってはなんだが
食堂、雑貨屋、武器屋、etc…で借金地獄。なのにお金を手に入れたら娼館に通い直ぐに散財する。女癖の悪さ――とまだまだ色々なことが思い浮かぶが「ボールス・エルバンス」という男は総えて生粋の"屑男"。
「といっても
色々考える佐藤改ボールスこと俺はステータスにも表示されている通り「ボールス・エルバンス」として生活しようと思った。本当は嫌だが流れに任せるしかない。実際ボールスなのだから。
一番最初に頭に思い浮かんだ案は気絶させられてゴミ捨て場に放棄された時に記憶喪失になった…という体のいいやり方もあったが、流石に話が出来すぎていると思い却下。
「はぁ、いい。よくはないんだが。考えてても始まらないし。それよりも「ステータス」…自分のスキルの確認だよな。確か「ステータス」画面に表示させている項目をタッチするとその内容が表示されるんだっけ?」
記憶にある知識に従い「ステータス」を表示させて気になる項目をタッチしていく。
---------------------------------------------------------------
・性技
レアジョブ。夜の世界で闘う戦士。
このジョブをメインジョブにしていると性技・絶倫・性欲のスキルが入手しやすくスキルレベルが上がりやすい。
・氷魔法(開花なし)
レア魔法の一つ。条件を満たしていない為開花していない。
条件:魔力「1000」 氷の精霊との高感度を高める。
※「佐藤歩」が「ボールス・エルバンス」の体の中に入ったことで入手したスキル。
・強奪
この世に存在する「ユニークスキル」の一つ。唯一のスキル。
生物を自分の手で殺めた時その生物のスキル又ステータスの各項目をランダムで入手。
レベルに応じて効果が変わる。
※「佐藤歩」が「ボールス・エルバンス」の体の中に入ったことで入手したスキル。
・性○
性○とは――自主規制。
---------------------------------------------------------------
「――いやまあ、うん。なんとなくはわかっていたよ。ただジョブの『性技』お前だけはダメだ。帰れ」
何があってもジョブの『性技』とサブジョブの『戦士』を交換することを決意する。
ジョブとサブジョブを持っている人はそのどちらかのジョブにつける。ただそれは街にある教会の神父に頼まなくてはいけない。それも俺は「性○」という訳の分からない病に罹っているためそれもできれば解除してほしい。ただ…。
「…どちらにしろ金が必要だ。今の所持金に至っては500ベル――日本円で換算するなら500円しかないし…」
記憶通りなら教会の魔法行使はお金がかなり必要。所持金が無いのもまた事実。
【ラクシアの貨幣価格】
下から鉄貨・銅貨・銀貨・金貨・大金貨・白金貨・黒金貨とある。
鉄貨……日本で言う10円
銅貨……日本で言う100円
銀貨……日本で言う1000円
金貨……日本で言う10000円
大金貨……日本で言う100000円
白金貨……日本で言う1000000円
黒金貨……日本で言う10000000円
所持金は銅貨5枚の500ベルとなる。ズボンのポケットを見たら銅貨5枚が入っていた。
「――目先の課題は決まったな。まず金を貯める。それも合法で。そしてジョブを変える。性○に関しては勝手に治る…可能性があるからな。痒いことを気にしなければ問題ない。そしてこの世界を生きるために力をつけながら信頼を取り戻す、と」
「ステータス」で確認したところ俺のステータスは人並み程度(ボールスの記憶)。ただそこで悔やんだりしない。俺には【氷魔法】と【強奪】というスキルがある。
【氷魔法】に関しては『開花していない』とまだ使えないが【強奪】というスキルはその単語、また内容を読んでも強いことが解る。俺が「ボールス・エルバンス」の体に入ったことで入手したスキル。いわば自分独自のスキル。なのでこれらを駆使すればなんとか生活できるのではないかと思っている。
「さて、まずは今持っている残高で買える装備を揃えるか。
自分で自分の運の無さに苦笑いをし、装備売り場に歩いていく。
まずは、一歩。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます