宮女は夜な夜な変装宦官様と明りを探す

縁乃ゆえ

-閑話-

在りし日

魂の記憶

 恋をしていたのだろう。

 お互い深い愛に包まれて幸せだった。

 あなたが居ればそれだけで良いと満たされていた。

 けれど、それは突然終わりを迎える。

 引き離されてもまた生まれ変わって、あなたを愛す。

 魂と魂で惹かれ合うのだから、どんな姿になっていようと分かり合える。

 いつの世も男は男で生まれ、女は女で生まれる。

 どんなに遠くに居てもまた巡り合い、その愛を期待する。

 けれどあの時以来全く、あなたを手にすることはできていない。

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