今日も変装宦官様は後宮の宮女達に手を焼いている

縁乃ゆえ

-閑話-

在りし日

魂の記憶

 恋をしていたのだろう。

 お互い深い愛に包まれて幸せだった。

 あなたが居ればそれだけで良いと満たされていた。

 けれど、それは突然終わりを迎える。

 引き離されてもまた生まれ変わって、あなたを愛す。

 魂と魂で惹かれ合うのだから、どんな姿になっていようと分かり合える。

 いつの世も男は男で生まれ、女は女で生まれる。

 どんなに遠くに居てもまた巡り合い、その愛を期待する。

 けれどあの時以来全く、あなたを手にすることはできていない。


 ――それが生まれた瞬間に見た記憶、それはずっとこれから先、この命を終える時まで忘れないのだろう。

 前世以上の者達がずっと見て来た約束、それがずっとこの世に生まれ続け、探し、見つけ、愛し合い、また同じ時を繰り返す必然だ。

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