第518話 予言を操る賢者候補と聖女候補の双子たち

 そこに、窓をコツコツと叩く音。鳥の姿になったミーティアだ!誰からだろう?

 もう連絡が来る予定はないんだけどな?


 僕は窓を開けてミーティアを迎え入れた。

 僕の手のひらにポトリと落ちる手紙。

 手紙を読んでみると……。


「バウアーさん?

 予言って……どういうこと?」

 魔塔の賢者、エリック・バウアーさんからの手紙だった。


「予言?随分と聞き捨てならない話だな。

 今の代の予言者からの連絡か?」

 ラーラさんが僕に尋ねる。


「さあ……。連絡をくださったのは、魔塔の賢者のお1人である、エリック・バウアーさんという方なんですが、娘たちが予言したことがあるから聞きに来て欲しいと……。」


「そのバウアーさんの娘たちが、予言者なんじゃないのかにゃ?

 アレックス何も知らないにゃ?」


「バウアーさんから聞いたことないですね。

 娘さんがいること自体初耳です。」

「英雄が揃うところ予言あり。おそらく何かあるのだと思う。確認して来て欲しい。」


「ラーラさんがそうおっしゃるのなら……。

 わかりました、ちょっと魔塔に行ってきます!皆さんは訓練なさっていてください。」


「わかり申したぞ!」

「いってらっしゃいアレックス。」

「訓練しながらぁ、待ってますぅ。」


 僕は急いで時空の扉から、魔塔へ向かったのだった。魔塔の玄関が開くのを待っている間に、キリカに尋ねてみる。


 キリカ、予言者について何か知ってる?


【回答、エリック・バウアーの双子の娘、レイ・バウアーと、リィ・バウアーは、賢神候補と聖女候補のようです。


 また、双子の特性からか、2人揃うと、精霊の力を借りて予言がおこなえます。精霊は予言にしか手を貸さないようですね。】


 精霊?精霊使いでもあるの?


【加護と守護を受けているようですね。

 精霊の能力を完全に引き出す力は、現時点ではないようです。その為、予言のみです。】


 加護も守護も受けてるの!?

 じゃあ強いじゃない!そんな凄い娘さんがいたんだ、バウアーさん。


 その時魔塔のドアが開いて、僕はバウアーさんを尋ねる為魔塔の中へと入って行った。

「──来たか、アレックス。」

 バウアーさんが深刻そうな表情で言う。


「娘さんたちの不穏な予言の件で……。

 いったいどういうことなんですか?」

「その前にうちの天使と妖精を紹介しよう。

 レイ。リィ。入ってこい。」


「はあ〜い!」

「はじめまして!」

 背中までのブロンドの髪、高い魔力保持者であることを示す金色の目。


 とっても可愛らしい娘さんたちだね。

 バウアーさんに全然似てないや。

 お母さん似かな。


「レイです!」

「リィです!」

「私たち双子なの!」

「「ね〜♪」」


 互いの片方の手のひらを合わせて、ニッコリと微笑み合う双子たち。この子たちが、賢者候補と聖女候補の、予言が出来る双子か。


「そしてわれが、大精霊ロモの子、ロモノコだ!ひれふすがよいぞ!」

 双子の頭の上に、フサフサの毛のように葉っぱで覆われた体をした生き物が現れる。


「ロモの子で、ロモノコ……?

 そのまんまの名前なんですね?」

「ロ(↑)モ(↓)の(↓)子(→)で、ロ(↓)モ(↑)ノ(↑)コ(↑)だ!」


「ロモの子、ロモの子うるさいから、ロモノコってつけたんだもん。」

「「ね〜♪」」


「ロモノコさんは、何の精霊なんですか?」

「大地の精霊、ロモの子だ!

 あがめたてまつってもよいぞ!」

「う、う〜ん、それは……。」


【オニイチャンは半分創生神ですよ?

 お前が崇め奉りなさい、ロモノコ。】


 キリカの声がしたかと思うと、ロモノコはプルプルと震えだし、

「わ、我より上位の存在だと……!?」

 恐れおののいたようにそう言った。


「──おっと、その話をするのなら、レイ、リィ、まずはアレックスと、他言禁止の魔法契約を結ぶんだ。話はそれからだ。」

「「はあ〜い。」」


 既に話していてくれたのかな?僕はレイちゃんとリィちゃんと、魔法契約を結んだ。

「僕、半分神なので、眷族にあたる精霊を崇め奉ることは出来ないです、ごめんね?」


「と、とんでもございません!創生神よ!」

 ははーっ!と地面にひれ伏すロモノコ。

「肩でもお揉みしましょうか?

 あ、お茶をどうぞ!創生神さま!」


「ロモノコの態度がへ〜ん。」

「へ〜ん!」

 双子は楽しそうに笑っている。


 ロモノコは本当に僕の肩を揉みだした。

「く……くすぐったい。」

 力が弱いから、揉まれてるっていうより、くすぐられている気分になるよ。


「はっ!申し訳ありません!」

「いちいち平伏しなくていいんで……。」

「はっ!」


「それで、予言について教えてもらますか?

 いったいどんなことなんです?」

「──レイ。リィ。」

 バウアーさんが声をかけると、


「「はあ〜い。」」

 双子が互いの片方の手のひらを、指を絡ませるように握り合うと、ロモノコがその上に飛び上がり、双子の体が光りだした。


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レイとリィのモデルはうちのギルメンです笑

双子なのは本人たちの希望。

バウアーさんのモデルはうちのギルマスです笑

作品も読んでくれてるらしいです笑


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