第441話 神の住まう土地、フルバティエ
「ええ、もうだいぶキツイんだけど……。」
スタミナ回復薬は水分だからね。
連続で飲むのは結構キツイんだ。
「スタミナ回復薬、錠剤に出来ないかなあ、それなら少量飲むだけでいいし。今のスタミナ回復薬よりも、回復効率の高いものを作れば、お腹タプタプにはならないよね。」
スタミナ回復薬とポーションには両方の効果、かつ更に状態異常なんかも回復する効果を持つ、エリクサーっていうものがあって、それだと本来のステータスを超えて回復するっていうオマケまでつくんだ。
つまり、ステータスを超えた分は上限値が上がるんだ。一時的に付与術師のステータス向上みたいな効果があるってことだね。
まあ、かなりお高いんだけど……。
あ、でも、既に国を作ってるから、それは無理かな?しまったあ……。こんなに飲むのなら、先にそれを作っておけばよかったよ。
【別に途中で他のものを作成することは出来ますよ?制限はありませんから。】
ほんと?なら作ろう!
「作成!エリクサー丸薬!
エリクサーと同等の効果で、錠剤で飲みやすい味のもの!」
【命名:エリクサー丸薬。
飲み込むことで効果発動。
種類:回復薬。
エリクサーと同等の効果を持ち、かつ飲みやすく美味しい丸薬。】
こちらは3回めで作成された。エリクサー丸薬を飲んだことで、スッと楽になる。
まとめて10粒口に放り込んでは、スタミナ回復薬で飲み込んだ。
350粒飲み込んだところで、
【出来ましたよ、オニイチャン、名前をつけてください。】
とキリカに言われた。エリクサー丸薬で350粒なら、スタミナ回復薬だったらどんだけ飲まなくちゃいけなかったんだろ。
無謀過ぎた……。
精神的にかなりグッタリしてしまった。
スタミナが一気に減ることで、実際かなり疲れた感じからの回復、を繰り返していたから、なんか横になりたくなってくる感じ。
国の名前はもう決めてあるんだ。
フルバティエ。
昔の言葉で約束の絆。
これはシンセイ国にある、世界樹の名前でもあるんだ。
平和を願って初代勇者がその身を変えた世界樹。僕はこの木に約束したい。
必ず平和な世界にするって。
勇者が世界樹に身をやつさなくても、魔王を倒してみせるって。
【命名:フルバティエ。
雲の上の国。
種類:神の住まう土地。
スウォン皇国、バルヒュモイ王国、エザリス王国の3つの国にだけ、直通の瞬間移動機器を設置可能。それ以外からは侵入不可。
時空の海の中に、新たにフルバティエに通じる扉を作成。
国王、アレックス・ラウマン。
第1夫人、ミーニャ・ロットマン。
第2夫人、ヒルデ・ガルド。
第1夫人は王妃と同等の立場を持つ。
住まうにはアレックス・ラウマンの許可が必要。住民は住みたい土地に、イメージした家を作成可能。】
あ、住民の家、最初からあるんじゃなくてそういう感じになったんだ。これは予定外だけど、むしろそれで良かったかも。
作られた中で好きな家を選んでもらおうと思っていたんだけど、そういうほうがいいかもね。自分の好きな家に住めて。
【良かったですね、オニイチャン。
これで母さまたちも、好きにオニイチャンの国に遊びにこられますよ。】
とキリカがいたずらっぽく言う。
「え?どういうこと?」
僕は思わず口に出して訪ねた。
【神の住まう土地、ですから。ここなら地上の中で、母さまたちが降りてこられます。】
あっ、なんかキリカが言ってたな。
けど、神が住まう土地って、地上にそんなものがあってもいいの?
【オニイチャンの国ですからね。
いいと思いますよ?母さまや兄さまたちも、今、後ろで喜んでます。】
そっか、ならだいじょうぶか。
人造人間に連携ごしにしか会えなかった母さまたちに、僕の国なら会えるんだ!
叔父さんも喜ぶだろうなあ。
内緒にしておいて、驚かそうかな?
【いいと思います。
オトウサン、びっくりするでしょうね。】
キリカも楽しそうに同意してくれる。
さっそく僕の国を国として認める許可を、3つの国に出してもらわないとね。
食べ物を納品しに行くついでに、各国の国王さまにお願いして、僕の国を国として認める同意はとってあるんだ。ちなみにバルヒュモイ王国とも、あれから商売をしている。
今日はいろいろあって疲れたなあ、既に夜もかなりふけてきたよ。スカーレット嬢には明日3つの国に立ち寄って書類を受け取ってから、その後会いに行くことにしよう。
国が認められてからが本番だからね。
しっかり休んで明日にそなえよう。
僕はお風呂に入って疲れをとると、干し草のベッドでゆっくりと眠った。
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ちなみにティエはタイ語か何かで、本当に絆という意味。
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