第40話 ハイゴブリン②

僕はシエルが持つ光り輝く槍を見ながら内心びっくりしていた。


「そろそろ限界みたい」


「……」


そりゃそうだろうと思う。


ちょっと強く造っただけの槍だから、【光属性付与】を10連続で付与したら、流石にいつ崩壊してもおかしくないだろうと思う。


現に槍は、もう無理だよっ!って言っているかの様に持ち手部分にヒビが入っていた。


あとハイゴブリン達はシエルがヤバイ事をやっている事に全く気が付かないのか、アレから攻撃してくる事なく、様子を見ているだけだった。


もしかしたら、ハイゴブリン達は持ち場があり、僕達は死角に隠れているので狙えないだけで、ハイゴブリン達の斜線上に出たら、またすぐに撃ってくるのかもしれない。

ん?


そう言えば属性された武器は物理攻撃か?


その辺の細かい設定は忘れているな……ゲームの時はマジックシールダーには迷わず近接戦闘みたいな感じだったからな。


「いっけぇ!!」


そして、シエルは物陰から飛び出すと共に、槍投げをするフォームで、光り輝く槍をハイゴブリンのマジックシールダーに向って思いっきり投げる。


すると、マジックシールダーはシエルが視界に入ると防御魔法を展開しようと構えるが、その時には既にシエルの放った光り輝く槍はマジックシールダーの目の前まで迫っており、次の瞬間にはマジックシールダーの頭が槍により弾けとんでいた……。


あの投擲はヤバイな。


【レベル70モンスターコアを吸収しました】

【レベルがアップしました】

【レベルアップ特典が選べます】


おおっ!?


あのハイゴブリンはレベル70もあったのか……しかもハイゴブリン1匹でレベルが上がった。


レベルアップ特典は……【魔銃】の性能に“速度強化”っあるから、それを選択した。


このレベルアップ特典は、神様がずっと見ているのではないかと疑いたくなる程に、欲しいと思った特典が追加されるんだよな。


それにしても、あのレベル70のハイゴブリンを瞬殺出来るシエルの強さは凄いな。


改めてシエルのもらった【祝福】の凄さが分かるな。


しかし、シエルは【光属性付与】を連続して使った代償なのか、疲れた表情で地面に座り込んでしまった。


これは、せっかくシエルがマジックシールダーを瞬殺してくれたんだから、キャスターとヒーラーが逃げてしまう前に殺さないと!


「シエル、凄かったよ! あとの2匹は僕が倒してくるから、少し休んでて!」


「分かったわ……」


僕はシエルに話すとすぐにハイゴブリンに向って走り出した。


本当ならシエルみたいに遠距離魔法で2匹を倒したいけど、もし打ち損じた場合に逃げられた上に仲間を大量に呼ばれると、お父さん達を助ける前に僕達がやられてしまうから、確実な距離までは詰めないといけなかった。


しかし、ハイゴブリンがなにもせずに近付けさせてくれる訳は無く、火の矢が連続してボタンに向かって飛んでくる。


火の矢は不意さえつかれなければ回避するのは難しくないけど、一度回避してしまうと連続して火が矢を放たれた時に、回避するのはしか出来なくなりそうで怖いから、僕は魔法で相殺しながら進む事にした。


「【アイスランス】!【アイスランス】!【アイスランス】!」


ドォーン!!ドォーン!!ドォーン!!


ハイゴブリンの放った火の矢を、僕は【アイスランス】により相殺しながらハイゴブリンのキャスターがいるビルまで辿り着いていた。





【ステータス】

【名前】カイン・シュバルツ

【レベル】78

【祝福】バットエンド

    リタイア

    タイムアップ

【技能】中級武器知識

    上級魔法知識

    上級薬草知識

    上級錬金知識

【権能】神の眼Lv.3

    “アイテム鑑定”、“モンスター鑑定”

    レベルシステム

    レベルアップ特典

    成長強化プログラム《15歳まで》

【装備】魔杖 “魔力増加”“属性強化”

    魔銃 “魔法強化”“速度強化”

    魔剣 “攻撃力”“属性強化”

    魔鎧 “回避力”“体力回復”

    靴 “移動速度”

    指輪 “魔法強化”“属性防御力”“器用さ”

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