会議
さて、実際にどう戦うべきか。
「現実問題として南からはどれくらいの敵の増援が来ると思いますか?」
「もし私が雇えなかった傭兵団であれば3千といった所だな。詳しくは偵察に行ったリタの帰り待ちだが」
「なら、増援が仮に3千だと仮定して作戦を練りましょう。ただでさえ、敵のS級スキルに押されている所に、後ろからの増援。正直マズイ状況ですが、チャンスでもあると思っています」
レグルスの言葉に皆が注目した。
「レグルスも気付いたか?そうだ。これはチャンスだ」
「ジャンヌ隊長、僕を試すような事は止めて下さいよ」
「そう言うな。まだ、お前の実力を知らないんだからな」
二人して軽く笑った。
「ちょっと!二人して話を進めないで下さい!私達にも説明をお願いします!」
話についていけないミリアが叫ぶとジャンヌは悪かったと謝り、事情を話した。
「まず、後ろからやって来る増援には、蛮族の首領がいると思われる」
!?
「ど、どうしてわかるんですか!?」
「神器を持っているからだ。そんな超レアな魔道具を末端の者には渡さないだろう?恐らく首領が持っていて、傭兵団を雇う交渉材料にでもしたのだろう」
「蛮族達も危ない橋を渡っているってことですね」
ミリアは冷や汗を掻きながらレグルスとジャンヌ隊長をみた。
どうしてこれだけの情報で、そこまでわかるのよっ!?
「これだから天才はっ!」
「どうどう、落ち着けミリア。団長が天才なのは知っているだろう?そこに団長の考えを理解できる変態が現れただけだよ」
ちょっと酷くないですか!?
「んんっ、ごほんっ!それでチャンスと言うのは敵の首領がまだ少ない人数でこちらに向かっている事。さらに、まだ敵は後ろから向かって来ている事を、我々が気付いていないと思っている事だ。なら、逆にこちらから奇襲を仕掛けることも出来るだろう?」
!?
「な、なるほど…………」
「問題は挟撃されている事をどう対処するかだが………」
ジャンヌは少し考えてから話した。
「正面は今日と同じで高台から応戦する。そして、敵がスキルを使ってきたら防戦に入り後ろに下がりながら遅滞戦術を行う」
補足事項として弓隊の援護を増やす事にした。
「そして、まだ余裕のある神炎騎士団の精鋭2千を後方に当てがい、一気に蛮族の首領を討ち取る!これには、私とレグルスが指揮官として向かう予定だ。クレア、正面の蛮族達を頼んだぞ?」
「はっ!承りました!」
副官のクレアは敬礼をして頭を下げた。
「メビウスはここぞという時に魔法で状況を変えて欲しい」
「任された!」
ジャンヌは他のメンバーを見渡しながら命じた。
「奇襲を行う為に、この夜の間に山を降りて南へ向かう!騎馬隊の準備に取り掛かれ!」
ババッと各メンバーは準備に取り掛かった。
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