第46話 禁忌

 螺旋状の階段を薄明りの中、降りて行く。

 ようやく底が見えてきた先には、出口から更に明るい光が見えている。

 マリアが先に出口を出ると、悲鳴が聞こえた。


「きゃあっ!」


 その悲鳴に反応してブラウズが出口に向かうが、そこには鉄くずのガラクタが大量に散らばっていてゴミの山のようになっていた。


「マリアッ! どこにいるんだ、答えてくれ!」


 君とシェルも慌てて探したが、どこにもマリアはいなかった。

 この場所にはゴミの山以外は何も無かった。


「探しましたが、マリアはいません。どうしましょう」

「きっと奥の通路の先に連れて行かれたんだろう」


 ブラウズの視線の先には通路があった。

 マリアがいる事を願い、君たちは通路の先へ向かう。


 先程いた部屋とは正反対にとても巨大な部屋だった。

 よく分からない液体の入った棺が見渡す限り並べられており、液体には大小様々な石が浮いている。それを見た君は、非常に良くないものであると本能で分かった。


 ブラウズとシェルも険しい顔をしている。


「な、何だここは……魔石のようなものが浮かんでるな」

「お父様、こっちは魔物がいます。小鬼ゴブリンも……まさかこれは……」


 液体の中に浮かんでいるのは魔石だけの棺と魔物だけの棺で分けられている。

 魔物は動いてはいないが、今にも動きそうに見える。


「そのまさかだ。人工生命体ホムンクルスを作っているんだ」

「これは禁忌を犯す行為なのです。それが魔物であっても同じ事です」


 この魔物たちを見た君は……。

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