目覚めのアッシュ【完結】
うららぎ
第1話 君がいる場所
君は町にいた。
行き交う人々はそれぞれ思い思いに道を歩いている。
大きな荷物を持ちゆっくりと歩く者。
声を上げて走り回る子供たちと、それを見守る大人。
屋台からは、肉の程よく焼けた匂いが道行く人を誘い呼び寄せている。
整備された道には馬車が走り、巨大なお城へと向かっていた。
馬車の出入りに合わせて城内から兵士のような装いをした人が集まっていた。
しばらく町の様子を見渡していた君は、この場所がどこなのか大体把握する。
どうやら城下町にいて人を見ていたようだ。
そうして人の流れを見ていると、横からの衝撃に君は倒れてしまう。
「おっと、悪いね。しかし、こんな場所でボケっと立っている君にも問題はある。危ないからもう少し道の端に行きなさい」
君は起き上がろうとするが、足に力が入らずに立ち上がれない。
空腹と倦怠感で身体が思うように動かず、起きられずにいると男は慌てた様子で君を立ち上がらせた。
「お、おい。そんなに強く当たっていないはずだ。どうした?」
男が立ち上がらせてくれるが君は力なく座り込み、思うように身体が動かせずにいた。
お腹から別の生物がいるような音が鳴り、男は笑った。
「そうか腹が減って動けなかったのか。よし、それなら俺が君に飯を食べさせてあげよう」
男の声を聞いて、安心した君は気が緩むと同時に意識が途絶えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます