異世界で珈琲店開きました~気づくと一大ギルドになっていた
柚子桃しずく
第1話 ここを珈琲店にします
おれは大学を卒業して、カフェで働いている。
将来は自分のお店をもち、カフェ経営をする予定だ。
そのためにも、いまはたくさんのことを学びたいと思っている。
今日は久しぶりに彼女とデートだ。
おれは彼女をまっていた。
……が、突然の心臓発作でおれは倒れた。
そして、彼女とは会えずに死んだ。
――――
「◎$♪×△¥&?#$!」
遠くで誰かの声が聞こえた。でも何語?
頭の中で解読された。
「大丈夫ですか!」
と言っているようだ。
おれは、目を開けた。
すると、心配そうに見ている女の人がいた。
おれは我に返り飛び起きた。
「あっ、はい、大丈夫です」
よくみると、その女の人はとても可愛くてタイプだ。
ちょっと露出の多い服を着ているせいか、胸に目がいってしまう。
おれはあたりを見渡した。
見覚えのないところだった。
いやらしい目で胸をみないように気をつけながら聞いてみた。
「ここは、どこですか?」
「すぐそこが、ブルージェ街です」
「ブルージェ?」
「ん? あなたはどこから来たんですか?」
ん? おれは、彼女をまっていた。
そして……、胸が痛くなり倒れたんだった。
おれ、死んだ?
これはまさかの異世界転生ってやつなんじゃ?
いやいや、そんなラノベみたいなことおきるわけがない。
いや、でもブルージェってどこ?
「もしよろしければうちにきませんか?」
「ええ?」
ぐぅー
お腹がなってしまった。
「ふふふっ、よろしければお食事もお出しできますよ」
おれはとりあえずついていくことにした。
――――
「ここです」
酒屋のようだがすごくさびれていた。
中に入るとテーブルと椅子があった。
「ここは酒屋ですか?」
「はい、いまはやっていませんが昔は冒険者が集まるギルドだったんです」
「ギルドって、冒険者の登録をしたり冒険者に魔物退治の依頼の仕事を斡旋したりするところですか?」
「はい、そうです」
やっぱり、異世界なのか?
「どうしていまはやってないんですか?」
「管理者が突然いなくなってしまったんです」
「それは……」
「それでも最初は残った人たちでなんとか頑張っていたんですが……」
「経営がうまくいかなくなったんですね」
「はい、そうなんです」
「わたしお食事の準備をしてきますね」
そういうと奥に入ってしまった。
おれはふと、掲示板に目がいった。
そこには魔物退治の依頼書が貼ってあった。
『西宮の森ー黄ゴブリン退治』
字が薄れていたが端にBランクと版が押されていた。
冒険者にランクが決まっているのか?
「お待たせしました」
おいしそうな香りがした。
シチューとパンを用意してくれたのだ。
一緒に食べながら、話を聞くことにした。
「あの~名前をきいてもいい?」
「あ、失礼しました。わたしはソフィアといいます」
「ソフィアさん」
「はい」
「おれは、ソウマといいます」
「ソウマさん」
この世界の話をたくさん聞いた。
話を聞いているうちにソフィアさんはヒートアップした。
「わ、わたしもうどうしたらいいのか……わからなくて」
突然泣き出してしまった。
「大丈夫ですか?」
「うっ……うっ」
なぐさめるが、泣きやまない。
それどころか泣きながらもっと話始めた。
「わたしは……こ、このギルドをっ……もう一度……立て直したいんですっ」
泣きながらすごいことをいってるな~
「あの~ 一緒に立て直してくれませんか?」
「ええっ? おれが?」
「はい、どうか助けてください」
「ええ~~」
異世界にきてなにもわからないしな~
やることも決まってないし~
いくところもないし~
とりあえずやってみるか?
こんなに簡単に決めて大丈夫なのか?
でも、ここのギルドは繁盛していたらしいし。
もう一度立て直すチャンスはあるかな。
でも酒屋は嫌だな。
「あの~ソフィアさん!」
「はい、なんでしょう」
「おれ、立て直しに協力します」
「えっ? ほんとですか?」
「でも、条件があります」
「なんでしょうか」
おれは条件をつけることにした。
「ここで衣食住をともにします」
「はい、もちろんです」
「あとはギルド復活させます」
「はい」
「ここを珈琲店にします」
「えっ? 珈琲店ってなんですか?」
あ~ 珈琲を知らないのか~
「カフェみたいな感じです」
「カフェですか?」
「まあ、はい」
「酒屋ではなくカフェですか?」
ソフィアさんはすこし考えていたがすぐに答えをだした。
「はい、わかりました。ギルドが復活するなら……」
「よし、さっそく明日から準備しましょう」
「はい」
――――
2階の部屋を案内してもらった。
「ソウマさんはこちらをお使いください」
「ありがとう」
「お風呂は1階にあります。ご自由にお入りください」
「わかった」
おれは疲れていたので早くお風呂に入って横になりたかった。
1階に行き服を脱ぎ、お風呂にはいった。
しばらくすると、お風呂の扉があいた。
ガラガラガラ。
おれは扉の方をみた。
そこにははだかのソフィアさんが立っていた。
ふたりで顔を見合わせて驚いた。
わぁ!
きゃー!
おれもソフィアさんも赤面した。
おれは急いで湯に潜った。
ソフィアさんは急いで、出ていった。
「ごめんなさい!」
いやいや、ごめんなさいはおれのほうだろ。
でもソフィアさんのからだ、綺麗だったな~
いや~おれ思いだしたらだめだろ。
また、赤面した。
おれはお風呂から出て急いで着替えた。
「ソフィアさん、ごめんなさい」
「いえ、わたしこそ」
「では、おやすみなさい」
おれはその場を去った。
ふぅ~
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