2-1

 結局私は三回の出勤でキャバ嬢生活を終えた。

 次回の出勤予定日も聞かれなかったし、私から希望を出すこともなかった。店長から連絡が来ることもなかった。スカウトのツヅキからは別の店を紹介したいとLINEが来ているようだが、既読をつけずにそのまま放置している。

 鮮やかなブルーの、腹の部分がレースになって透けていて、太ももが手のひら一つ分だけ隠れる程度の短いタイトなドレスと、ギラギラしたラメが輝く十七センチハイヒールとクラッチバッグが、早々にタンスの肥やしだ。

 部屋に荷物が増えただけ。少し前までの生活に戻るだけ。ただ過ぎ去る日をこなしていくだけ。

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