②姫様、俺はどうやらイケメン騎士らしいのです

和泉ユウキ

プロット

【タイトル】

 姫様、俺はどうやらイケメン騎士らしいのです


【参考作品】

 特に無し


【世界観】

 大きな大陸の周りに小さな島々が浮かぶ世界。

 大陸のちょうど真ん中を国境として、西をテネリア王国が、東をツンデリア帝国がそれぞれ統治している。


 二国ともに貴族と平民が存在。

 二国は貴族も平民も政治上や商売敵として常々いがみ合ってはいるが、それは全て互いに切磋琢磨し、様々な技術力や芸術、政策や交易の質を向上させるという狙いがある。

 故に、テネリア国王とツンデリア皇帝は表面上は火花をばちばちに散らして顔を合わせれば皮肉の応酬をしているが、裏ではしょっちゅう手紙のやり取りをしており、互いの国を訪れた時は、夜に事情を知る者で部下を固めて親睦を深めている。それを知るのは、互いの国でも一握り。

 内乱が起こりそうになればこっそり互いに援助をし、相手の国に戦を企てる者が現れれば、裏から手を回して潰す。

 バランスを取りながらの程よい敵対関係(演技)が五百年ほど続き、両国は栄えてきた。


■テネリア王国

 体制:王政

 気候:比較的温暖で、四季がはっきりしている

 芸術:絵画や陶芸など、視覚や造形、建築方面の芸術が盛ん

 特産:陶器などの工芸品、食事処にかなりの力を入れている


■ツンデリア手国

 体制:帝政

 気候:どちらかというと冷帯で年中涼しめ

 芸術:音楽や演劇、服飾などの装飾や舞台方面の芸術が盛ん

 特産:織物、定期的に行われる祭事は王国よりも華やかで人気


*人間の気質は、王国が天然で素直な者が多く、帝国がツンデレの傾向にある。



 物語は、テネリア王国随一のラブラブバカップル主人公のアレックスとエリザベスが、『イケメン』という未知の単語の意味を追っていくラブコメ。

 全ては、「姫様、俺はどうやらイケメン騎士らしいのです」のアレックスの言葉から始まる。



【主要人物】

■アレックス(主人公)

「万が一にも姫様が亡くなる様なことがありましたら、貴方の死の原因の全てを根こそぎ食らい尽くしてから滅し、その後に貴方のおそばに馳せ参じましょう」


・性別:男

・年齢:16歳(高等学院一年生)

・一人称:俺

・二人称:君、お前(敵対)、貴方(目上)

・特徴:夜を溶かした艶めく黒髪、夜空をそのまま閉じ込めた様な深いサファイアの瞳、完璧な凛々しさを保つその理知的な顔立ちを更に引き立たせる眼鏡(エリザベス視点)


・人物設定

 主人公その一。

 テネリア王国の王女エリザベスの婚約者で、護衛騎士。イケメン。表情筋はあまり動かないが、エリザベスの前で(またはエリザベスのことを考えている時)だけはそれなりに仕事をする。

 テネリア学院の一年生で、二年後の卒業式の後に結婚予定。

 学生の身ではあるが、騎士団長の息子として幼き頃より剣を磨いてきたおかげで下手な騎士より強く、そのおかげで騎士団に騎士見習いという籍を置いてエリザベスの護衛騎士を務めている。

 結婚をしていないので線引きと愛称の意味をこめてエリザベスを「姫様」と呼んでいるが、早く結婚式の誓いのキスの場面で彼女の耳元に「エリザベス」と囁きたいと妄執している。

 エリザベスが死んだら、彼女の死の原因を全て滅してから果てようと思っている。



■エリザベス(主人公)

「あなたのその夜を溶かした艶めく髪も、夜空をそのまま閉じ込めた様に吸い込まれそうな瞳も、色香を漂わせる滑らかな唇も、全てはわたくしのためにあるのですね」


・性別:女

・年齢:16歳(高等学院一年生)

・一人称:わたくし

・二人称:あなた

・特徴;背中まで美しく流れる金の髪、吸い込まれるほどに純粋な輝きを持つ翡翠の瞳(アレックス視点)


・人物設定

 主人公その二でヒロインポジション。

 テネリア王国の姫で、護衛騎士アレックスの婚約者。イケメン……ではないが、心が鋼よりも強い。

 早くアレックスに名前で呼んで欲しいとこいねがっているが、いざ名前で呼ばれたら全身溶けそうだなと妄想している。そのまま彼の一部になれたら良いとも妄想している。

 武術の心得は無いが、暗殺者に狙われても全く動じない鋼も真っ青な精神を持つ。むしろ、表情筋がアレックスより死滅している。

 故にポーカーフェイスは大の得意だが、心の中は誰よりも豊かである意味波乱に満ちている。

 アレックスが死んだら、彼の剣でこの身を貫こうと決めている。



■テリア

「イケメン? ふむ。それは、食べられるのか?」


・性別:男

・年齢:45歳

・一人称:私

・二人称:お主、お前(家族)

・特徴:金髪、サファイアブルーの瞳


・人物設定

 テネリア王国の国王。イケメン。

 食べることが大好きな超絶ダンディ。世界中の食べ物で知らぬものはない、と言われるほどの歩く食べ物辞典。

 親友の騎士団長の息子であるアレックスのことは、親友の息子を抜きにして大層気に入っており、彼には常に「お義父さん」と呼んで欲しいと願っている。親友に「気が早い」と常々目を吊り上げられているが気にしない。

 あらゆる毒に耐性を持っていて、致死量の百倍を入れられても死なない。



■エメラルダ

「イケメン……。重要なのは、まずアクセントがどこにあるかということです」


・性別:女

・年齢:44歳

・一人称:私

・二人称:貴方

・特徴:シルバーホワイトの髪、翡翠の瞳、若干つり目


・人物設定

 国王の妻。イケメン。

 元騎士団団長。そのため、剣術をはじめとするあらゆる武器に精通している上に現騎士団長より強く、彼女こそが国王の護衛騎士の様な役割を果たしている。

 アレックスとエリザベスが夫婦になることを夢見ており、二年後の卒業式の後に結婚だなんて遅いと内心涙を流している。むしろ、王権を発動して明日卒業式にならないかなと画策している危ない人。

 アレックスには「義母上」と呼ばれたい。

 ちなみに、うっかり夫婦の馴れ初めを聞きてしまったら、夜は帰れないと思った方が良いともっぱらの噂。



■シオン

「おお! オレの愛しい姫君よ! 今日も天から舞い降りる美の女神の如き輝きさえ霞むほどのお前の美しさに、今! オレの目は焼け死んで復活した! ……とか言ってるんだろ? わかってるって! アレクはカワイイなあ。ははは、当たらないぞ♪」


・性別:男

・年齢:24歳

・一人称:オレ

・二人称:お前(言えない相手の時は、大体敬称か名前)

・特徴:金髪、サファイアの瞳、割とつり目


・人物設定

 王国の第一王子。イケメン。

 面白いこととからかうことが大好きで、よくアレックスとエリザベスのことをいじる。アレックスの攻撃は華麗に流し、エリザベスにはわざと吹っ飛ばされてそれすら楽しむ余裕を持つ。

 剣術の腕前は母親譲りで、アレックスの父と共にアレックスの剣の師匠を務めている。

 アレックスのことは、愛称のアレクで呼んでいるため、エリザベスが内心で色々ジェラシーを感じている(それさえもシオンの手の平の上)。



■アレン

「まったく……。兄上の馬の様に賢く鹿の様に素早く、更には猪の様な真っ直ぐさには敵いませんね。どこに出しても恥ずかしくないほどの武人です」


・性別:男

・年齢:20歳

・一人称:僕

・二人称:君、貴方(気分によって使い分けているが、君の方が若干親しみを込めている)

・特徴:シルバーホワイトの髪、サファイアの瞳、伊達眼鏡


・人物設定

 王国の第二王子。イケメン。

 武術はやや不得手で、口が達者で皮肉屋。外交向きなので、そちらに重点を置いて学んでいる。

 アレックスとエリザベスのことは認めているが、父の代わりに「妹はやらん!」という役がやりたくて実行しており、大体エリザベスに吹っ飛ばされている。アレックスが相手だと剣で吹っ飛ばされている。

 武術は苦手だが、受け身(防御)は王国でも随一で、誰に吹っ飛ばされても平然としているある意味恐ろしい相手。



■イリア

「あら。イケメンって、イケメンな人のことを言うんでしょ? 簡単じゃない」


・性別:女

・年齢:16歳(高等学院一年生)

・一人称:わたし

・二人称:貴方

・特徴:アッシュローズの髪、ライムグリーンの瞳


・人物設定

 アレックスとエリザベスの友人。ふわふわした外見だが中身がイケメン。

 王国の公爵の長女で、サウルとは恋人同士。ラブラブ。

 帝国出身のツンデレぶりをサウルから学び、それを使ってからかったりからかったりからかったりすることを覚えた。



■サウル

「イケメンの意味を知らない? 後に上に立つ者がその程度のことを知らないとは……。……この私が、直々に教えてやっても良いんだぞ?」


・性別:男

・年齢:17歳(高等学院二年生)

・一人称:私

・二人称:お前

・特徴:ダークブルーの髪、淡いルビー色の瞳、眼光が鋭い、よく照れる


・人物設定

 帝国から来たアレックスとエリザベスの友人。ツンデレイケメン。帝国宰相の息子。

 イリアと付き合っていてラブラブ。ツンデレなので普段は上手く思いを伝えられていないが、いざという時は普段のツンデレぶりはどうしたと言わんばかりのイケメン言動を発揮する。




【物語構成】


 プロローグ+六章。

 大体十二万字ぎりぎりで書き上げる予定なので、加筆修正前の下書き時点で十一万字を目指す形。



■プロローグ 婚約者はイケメン

 アレックスの発言「姫様、俺はどうやらイケメン騎士らしいのです」から始まる、「イケメンって何ぞや?」という問題提起。

 だが、話の大半はポーカーフェイスのエリザベスによる「アレックスって素敵♪」という心の中のやかまし……愛の叫びで終わる。

 エリザベスを殺しに来た暗殺者はアレックスに秒でぶっ飛ばされる。


■第一章 国王もイケメン

 イケメンとは何かを知らないので、国王夫妻に聞きに行く話。

 ラブラブの婚約者にラブラブの夫婦。空間はラブラブで終始貫かれる。

 国王夫妻もイケメンの意味は知らないので、想像が明後日の方へ行く。

 国王を毒殺に来た暗殺者は秒で片付けられる。


■第二章 王子もイケメン

 イケメンの意味を国王夫妻も知らなかったので、前章で派手に登場した王子二人に聞く話。

 王子二人は知っているが、えて教えない。解決しない。

 結局全てはイケメンという名の酒のさかなもとい家族団らんの餌にされ、ほのぼのとした(時には剣の応酬)雰囲気で全てが終わる。

 王子を暗殺に来た者達は王子の手によって秒でのされる。


■第三章 友人もイケメン

 結局王族の誰に聞いてもイケメンの意味が分からなかったので、二人の数少ない友人であるイリアとサウルに聞くことになる話。

 とはいえ、イリアも「イケメンとはイケメンな人のことを言う」と説明し、サウルも「イケメンというのは、自らイケメンとは言わないものさ」とのたまい、結局よく意味が分からないまま終わる。

 帝国の重要な身分にあるサウルを殺しにきた暗殺者は、サウル自身によって秒で返り討ちにされる。

 

■第四章 イケメンを探せ

 二人の頼みの綱であった者達が全員イケメンについて分からなかったため(王子はわざと)、二人でイケメンの聞き込みをする話。

 だが、話す人話す人によって「イケメンはあなたです!」「イケメンとは顔が良い人のことです」「イケメン許すまじ」「イケメンは顔とは限らない」など客観と主観の入り混じった答えを聞いて、ますます迷路に迷い込む。

 暗殺に巻き込まれそうになった周りの学生達を守るため、アレックスとエリザベスのタッグに暗殺者は秒で地面とキスをした。


■第五章 イケメンではない者達

 誰に聞いてもイケメンの真髄に辿り着けないアレックスとエリザベスは、困り果てながら日々を過ごす。

 そんな中、遂に今まで秒でぶっ飛ばされてきた暗殺者達が徒党を組み、学院の学生達を人質にアレックス達標的を消そうと動き出す。

 だが、それを事前に察知したエリザベスとサウルがアレックスや国王達に相談。その後、学院の運営者や教師、果てには信用のおける学生達が一丸となって、彼らを退ける。

 そして、問題解決の光景にアレックスとエリザベスはしかと見る。

 きらきらと輝く勇気あるイケメン達(学生)と、卑劣に暗く沈むイケメンでない者達(暗殺者)を。


■終章 世界で一番イケメンなあなたと

 様々な困難を乗り越えた二人は、最終的に「イケメンとは勇気あるみんなのことであり、そして愛して止まぬ尊敬する相手のことだ」と結論付け、解決する。

 むしろ、互いに互いの方がイケメンだと言い始め、痴話喧嘩という名ののろけを周囲に振り撒き、生暖かい笑みで見守られる。

 当然の様に出てきた暗殺者は、当然の様に秒で消されるのであった。



 だが、最後に二人を遠くから眺める謎の男が現れ、「イケメンの何たるかを教えてあげなければいけない様だね」とほざ……言い残し、その場から消え去る。

 二巻以降は、この謎の男を火種として話が展開していく。


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