#13 ある美漢 第7話

 アタシ、平野ひらのあいは楽しんでいた。


 美術部の部長として後輩たちが来る前にキャンバスや絵の具の準備をしていると、後輩のヒカリちゃんが美術室にやってきた。


「おっはよー! ヒカリちゃーん、もう夕方だけどねぇー」


「お疲れ様です、愛さん。今日はお早いですね」


 美術部のエース、ヒカリちゃんの登場だ!


 ほーんと、かわいいよねぇ。


 いつもヒカリちゃんはどこか落ち込んでいる感じがして、それが薄幸はっこうな美人っていう雰囲気を出しているんだけど……。


 うーん、今日はちょっと違う感じ……?


「ふーん。ヒカリちゃん、なーんか良いことでもあったー?」


「えっ!? あ、いゃ……何も……」


 少し眼と顔を赤らめていて、少なくとも何かあったんかな……?


 嬉しいというか恥ずかしいというか、それとも嬉し恥ずかし両方的な? 何かわからないけど明るい気持ちになるのは良いことだねぇ。


「ま、もし話したくなったら教えてよネ! 楽しい事はみんなで共有した方がもっと楽しいだろうしサ!」


「あ、はい……。困った時はまたお願いします……!」


 きっとヒカリちゃんの楽しい事は、みんなも幸せに、そして楽しくしてくれるはずに違いない!


 いやぁ、そんな気がしてならないネェ! ハッハッハッ!

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