私と先生は森の中で散歩をしたり、近くにある川で川遊びをしたり、ときには絵の具と白いスケッチブックを用意して森の中にいる動物たちの絵を描いたりした。

 あと雨の日には家の中で二人で一緒にピアノを弾いたりもした。(先生の家には小さなピアノがあった)

 私はピアノが全然弾けなかったのだけど、先生が教えてくれたので、簡単な曲なら、一応、一人で弾けるようになった。(嬉しかった)

 それから料理をしたりもした。

 掃除もしたし、植木鉢に咲いている赤い花に水をやったりもした。

「お料理も掃除もお花に水をあげることも立派なお勉強なんですよ」

 とふふっと笑って先生は言った。

 私はそんな風にして先生と過ごす時間が大好きだった。

 そんな大好きな時間の中で 私が一番大好きだった時間は先生といろんなお話をする時間だった。

 先生は私に本当にたくさんのいろんな魅力的なお話をしてくれた。

 それらのお話はどれも私の知らないことばかりで、本当にわくわくするような魅力に溢れていた。(世界には私の知らないことがとてもたくさんあるのだと私は知った)

 そうやって私は先生と一年間、この森の中で一緒にお勉強をした。

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