第3話

「おはようございます」

「あ、おはようございます」


朝食を食べ終わる頃に、他の社員が出勤してくる。


僕が来ている事で開いている鍵、付いている電気、エアコン、出勤簿...

当たり前のように机に置いてある様に何も疑問を持たず、自分に必要な準備だけ行う。

「昨日○○...」「えーそうなんですね。」「アハハ...」

毎日行われる中身のないくだらない会話。

よくそんな事を人前で話せるもんだと嘲笑う。


「朝礼を始めます」

ただ、書いてあるものを読むだけの朝礼。

「火曜日だから...」

先週のうちからその予定が無くなった事も知らずに、コンピュータ化されたようにそれを読む。


「その予定は無くなりました」

苛立ちを隠さず発言する。

「何を怒っているの」という目で見てくる。


自分達が怒らせているとも知らずに。


そんな態度を見て上司から

「今日はもう帰りなさい」

と、言われる。


上司も僕の情緒の変化を知っているのでこうなった時は帰ってもらった方が良いと判断する。


「僕がいないと回らないだろう」

反論は思い浮かんだが、会話する事もきついので指示に従う。


誰にも挨拶せずに会社を後にした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る