ぼくがしあわせなこと

@kyou0320

第1話

「ピピピ、ピピピ...」

布団の中で目を擦りながら、携帯のアラームをとめる。

寝付きが悪いせいかあまり寝た気がしていない。

重たい頭と体を起こして今日も一日を始めていく。


歯を磨いてシャワーを浴びて、髪を乾かし、髭をそる。

着替えて、バッグを背負って鍵を持って家を出る。

自転車に乗ってスーパーに朝ごはんとコーヒーを買いに行く。


スーパーに着く頃には汗をかいて暑くなり袖を捲る。

2年前に自分で付けた手首の傷はもう目立たなくなり、手首を自分の方に向ける癖も無くなっていた。


買い物を済ませ、スーパーから職場まで1時間歩くために水分補給を行う。

上司に教えてもらった気分転換法だ。


昨日聞けなかった深夜ラジオを聞きながら職場まで歩く。

朝の涼しい風、アイドルとパーソナリティの会話、青空と雲の比率、買ったコーヒーの味。

全てが自分にとってプラスになっている時間。

全て忘れられる時間、心が楽になる時間。



この時間が終わらないでほしいと願いながら職場まで歩く。

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