廃秒乙女

核戦争を映した君の瞳孔

シェルターと輝く星

焼き付いた金網。絡みつく有刺鉄線。

黒い灰が降る町で、一人佇む白い肌の君。

燃え尽きた瓦礫とガラス。炭化した人の骸。

溶けた蝋燭のような君の涙。

その黒い眼の中に光はなかった。

誰もが目を合わせず、震える焦点。

ある朝雪が降った。灰につもる雪だ。

一人君は外へ出た。白い息。


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