あたたかい冬

 学校は冬休み。

 私は実家で年を越して、また隣県の安アパートへと戻って行く。


 部屋では愛しのギターちゃん、私の帰りを待ってるんだもの。

 連れて来れなくてごめんね、なんて思いつつ、駅へ急ぐ。


 浮かれてたのかもしれない。

 飛び乗った新幹線の行き先が、目的地と違うことに気付いた。


 夜の車窓に映る自分の顔、沈んでる。

 着替え詰め込んだバッグ、こんなに重かったんだ。


 真っ直ぐ降りた、見知らぬ駅のベンチで、疲れた腕と、肩と、足を休めて。

 親への電話、車の到着待つ間。


 缶コーヒーありがとう、優しい駅員さん。

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