目黒川

Cicco

第1話 DNA

私の母方の高祖父(ひいおじいちゃんの父)はどうやら、目黒川あたりに住んでいたらしい。亡くなったのは1905年(明治38)で、最初の子どもが生まれたのが1884年(明治17)とのことなので、きっと生まれたのは江戸時代の末期だったのだろう。名前は松沢鉄五郎だ。随分強そうな名前だ。ママが「ひいおじいちゃんの松三郎は大工だった」と言っていたから、鉄五郎さんも大工だったかもしれない。


日露戦争は1904年2月〜1905年9月までなので、鉄五郎さんは日露戦争中に亡くなったというわけだ。私の高祖父は、江戸時代に生まれて、明治維新(1868年)を通り過ぎ、日清戦争(1894年7月〜1895年4月)、日露戦争という激動の時代を東京で生きてきたのだ。その血がつながって今の私が1988年に生まれたということになる。もちろん会ったことはないけど、不思議な親近感と縁とDNAを感じる。


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