散歩の七百三十五話 何とか今日は終了です
アイテムボックスにしまっていた屋台などを取り出していると、ラストさんが僕に話しかけてきた。
「皆さんは、誰かを守ろうとすると更に強くなるのですな。シュン様も本気を出されていませんでしたし、私も勉強になりました」
いやいや、僕なんかよりも軍人のラストさんの方が全然強いと思いますよ。
それに、僕たちは東の辺境伯夫人という最強を知っているので、まだまだだと思っています。
こうして無事に屋台は再会したけど、まあお客さんが凄いことになった。
「いやー、白猫の嬢ちゃんは強いな。あんな大男を軽々とぶん投げるとはな」
「攻撃も全部かわした上に挑発までするとは大したもんだ」
「わわわ!」
派手な活躍をしたシロが大人気で、色々な人に声をかけられたり頭を撫でられたりしていた。
悪いことではないので、そのままにしておきましょう。
こうして、夕方の閉店時間まで大混雑の中で営業を続けていたのだった。
「今日は大変だったな。ゆっくりと休むが良い」
「「「ふわーい……」」」
屋敷に帰ってきた時には、シロたちはヘロヘロになっていました。
僕は先代様と話があるので、スーにシロたちのお風呂を入れてもらうことにしました。
「たぶんですけど、執事は僕たちに関係していて恨みを持っているものをピックアップしたのかと。一般市民や冒険者を使わなかったのも、恐らく切り捨てても問題にならないものを選んだのでしょうね」
「うむ、恐らくそうじゃろう。ゴンゾーなら、シュンたちに恨みを持っているから扱いやすい。しかし、魔獣化の薬は厄介だな。状態異常回復魔法でないと元に戻せないのか」
先代様も、腕を組んで考え込んでしまいました。
僕たちは北の辺境伯領でアオが対応したのを見たからこそ王都でも今回も対応できたわけであって、初見ではどうしようもなかっただろう。
倒すこと自体は難しくないけどね。
「とにかく、ゴンゾーはもう一回西の辺境伯領に送る。王都にいたところを奪われたみたいだな。既に西の辺境伯にも伝えたが、もう一度教育的指導をすると言っておったぞ」
ゴンゾーが力を欲したのは間違いないので、きっとエミリア様による激しい何かが待っていそうだ。
同情はしないけどね。
今日起きた程度なら僕たちでも簡単に撃退できるので、花見祭りは継続となります。
お客さんはたぶん問題ないけど、巡回は強化するそうです。
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