散歩の六十一話 あっという間に集まった情報
という事で、早速色々な所で東の辺境伯領の情報を集めることに。
先ずはギルドの窓口で聞いてみよう。
「花見の祭りは、一ヶ月後の四月上旬から中旬にかけて行われます。この国の中でも、規模の大きな祭りですね」
早速、祭りの情報を手に入れる事が出来た。
日本の桜よりも長い間楽しめるんだ。
今が三月の上旬だから、タイミングが良かった。
「各辺境伯領は定期便が出ています。王都に向けても出ていますね。東の辺境伯領へは、大体十日の旅となります」
「大きな街ですから、馬車便が出ているんですね」
「ただ、花見の期間は観光客で混雑しますので、注意が必要です」
そっか、僕達と同じ考えを持っている人が多いのか。
この国でも規模の大きなお祭りだから、それだけ観光客も多くなるよな。
続いては、書店で何か参考になるものがあるかを探していく。
「おっ、あったぞ。というか、これはいいなあ」
ちょうど国内の観光マップみたいな物があった。
これを購入して、宿に戻って見てみよう。
「シュンお兄ちゃん、こんな物もあったよ」
「本当に大きな祭りなんだな……」
本を買おうとカウンターに向かったら、カウンターに花見祭りのパンフレットが置いてあった。
もしかしたら、各領地の書店に置いてあるのかもしれない。
ついでにこれも買っておこう。
意外な情報が出るかもしれないので、市場でも話を聞いてみた。
先ずはよく使う服屋さん。
「獣人が多いから、少し治安が悪いですよ。私もたまに仕入れで東の辺境伯領へ行きますが、安全には気を使います」
「確か沢山の人種がいるんですよね」
「はい。なので、奴隷市場なども存在しています」
「奴隷市場ですか?」
「借金奴隷や犯罪奴隷などが、奴隷商で売られております。きちんとした奴隷商は国の公認を取っていますが、中には怪しい所もあるので注意して下さい」
治安問題に奴隷市場か。
そういう意味でも、東の辺境伯領は南の辺境伯領とは趣が違いそうだ。
シロとスーの安全には、特に気をつける様にしよう。
「後は季節も変わりますので、温度調整ができる服装が良いかと。朝晩は冷える事もありますが、段々と暖かくなっていきますので」
「確かに季節が変わりますからね。ある程度はここで購入していきます。ついでに予備のマジックバッグも購入していきます」
「いつも有難う御座います」
一応夏服も用意していこう。
僕達は、この間のゴブリン討伐でびっくりするくらいのお金が手に入った。
それこそ、マジックバッグが何個も買える様な金額だ。
なので、お金にはかなりの余裕がある。
スーに至っては、奪われたお金が慰謝料付きで返ってきたので、怖いくらいの金額になっている。
勿論、必要なお金以外はギルドに預けている。
必要な物を購入して、次のお店に移動する。
「最近人間と獣人の間でいざこざが起きているらしいぞ。東の辺境伯様も苦労しているそうだ」
「うーん、何だか人為的な匂いがするのは何故だろうか?」
「お前らがそういうなら、人為的な可能性もあるな。問題を解決して、また名を上げたりしてもおかしくはないな。ガハハハ」
肉屋のおじさんから貴重な話が聞けた。
元々獣人は血の気が多いらしいし、皆が巻き込まれない様に気をつけよう。
「うーん、一日で情報が集まってしまった」
「大きな街というのもありますね」
「花見祭りとっても楽しみ!」
宿に戻って情報を整理するが、辺境伯領という事もあるので直ぐに情報が集まった。
これだけ情報が集まれば、僕としても心強い。
シロとアオは、既に花見祭りが楽しみで仕方ないらしいぞ。
後は冒険者として、依頼を頑張ってこなしていこう。
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