千二話 再試験の予定とこの後やること
入園試験の翌日、僕は学園に行って再試験の打ち合わせを行うことになりました。
元々の再試験予定者が五人いて、これは普通に再試験をすれば大丈夫。
日程も決まっているし、試験内容も決まっています。
因みに、体育館ではなく空き教室で試験を行います。
「追試験となった一名に関しては、試験を課した上にレポート提出をさせることになりました。試験までにまともに成績を上げることはできないと思いますので、対策を講じてまいります」
「僕も、本人がまともに勉強するとは思いません。本日正式に発表されましたが、彼の父親も処分されております。なにか、強制的に勉強させる仕組みがないと駄目ですね」
「アレク様の仰ることももっともですが、まだ入園前ですのでそこまで強制的なことはできません。ただ、入園したら毎日補習をする予定でおります」
陛下があれだけ怒っているとはいえ、現在の規則上は入園を認めることになる。
その代わりの対応をすることになるのだろうけど、先生も頭が痛いことになりそうだ。
そして、僕とリズの話にもなった。
「アレク様とリズ様は、全力での手合わせや魔法は禁止になりました。エレノア王女殿下とご一緒の従魔の魔法に関しても同様となります。その代わり、楽しく手加減しながら周囲に教えることは許可されました」
「ご配慮頂き、本当にありがとうございます」
「私どもも、皆さまが頑張ることで新入園生に良い影響があるかと思います。どうぞ、これからも宜しくお願いいたします」
僕たちが何もやらない方が、かえって悪影響になる可能性があるそうです。
リズもエレノアも、張り切って周りの人に教えようとするだろう。
ということで、試験に関する話は終わり、僕は宰相執務室にゲートを繋げて学園から戻った。
すると、リズたちがワクワクしながら僕たちのことを待っていた。
「お兄ちゃん、どうだった？」
「エレノアも合格した？」
「いやいや、二人は元々貴族と王族の子どもだから入園できるよ。再試験がまだこれからだから、クラス分けも分からないよ」
「「そーなんだ」」
何だか二人は別のことを気にしていたみたいだけど、僕たちが入園できないってなるって余程のことだと思っているよ。
そして、スラちゃんもいるので僕たちのことで決まったことを伝えた。
「僕たちは、全力で手合わせしたり魔法を放っても駄目だよ。スラちゃんとプリンも同じだ。でも、他の人に教えたりするのは大丈夫。手加減して手合わせしたり魔法を放てるように頑張りましょう」
「おお、リズ頑張って他の人に色々教えてあげるんだ！」
「エレノアも、頑張って魔法を教えてあげるよ」
二人だけでなく、スラちゃんとプリンも触手をフリフリとしながら頑張ると意気込んでいました。
こうやって頑張るなら全く問題ないですね。
あっ、あとこのことも伝えないと。
「みんなたくさん友達を作るんだよ。僕も頑張るけど、お仕事もあるから。まあ、二人なら特に気にしなくても大丈夫だろうけどね」
「「いっぱいお友達作るよ！」」
こうして、リズたちは再び勉強部屋に戻って行きました。
そして、僕はそのまま自席について仕事を再開した。
でも、最近はほぼ学園と王都再開発と衛星都市開発プロジェクトしかやっていないんだよなあ。
「あの、「しかやっていない」じゃなくて、こんなにもやっているとしか思えないのですが……」
「元々アレク様が行なっていた仕事に加えて、都市開発専門の職員を配置しようかというレベルになっております」
ボルトさんとスタンリーさんはかなり真面目な表情をしているけど、都市開発に関しては専門チームを作るらしいです。
ちなみに、ナッシュさんとローリーさんは婚姻届を出したり忙しいので、三日間有給休暇を取っています。
そして、僕たちは先に土地を平らにする作業を頑張ることになりました。
でも、せっかくなので明後日行われるルーカスお兄様たちのクラスが見学に来る際に行おう。
それが終わったら、いよいよナッシュさんとローリーさんの披露宴が行われます。
何だか、暫くはとっても忙しい日々になりそうです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます