転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

九百八十八話 色々な体験をした成果はあったかな？

　昼食前になると、続々と活動を終えた冒険者ギルドに学園生が戻ってきた。

　良い感じにできたのか、みんな良い表情をしていた。

　そして、手続きをしてお金を受け取るとみんないい笑顔をしていた。

「お兄ちゃん、ただいまー！」

「「「ただいまー！」」」

　すると、薬草班とともにリズたちも冒険者ギルドに戻ってきた。

　良い感じに薬草を集められたのか、みんなとても良い笑顔だった。

　買い取りブースに薬草を卸すとまあビックリ。

「えっ、こんなにお金をもらえるんですか？」

「もっと少ないと思いました」

「そりゃ、単価が安くても数を集めればそれなりの金額になるぞ」

　薬草採取を初めてやる人あるあるですね。

　護衛を務めた学園生も、倒した獲物を卸して報酬を得ていました。

　全員思わぬ金額を得たので、とても良い笑顔ですね。

　こうして全員集まって手続きを終えたところで、ジンさんが学園生に話しかけた。

「こうして、様々な仕事を多くの人がこなすからこそ社会が成り立つ。冒険者活動だって、今日見せたのはほんの一部だ。特に領地持ちの貴族は、領内を多くの人が支えていることに感謝した上で領地経営をしろよ」

「「「はい！」」」

　これで今日の冒険者体験は終了なんだけど、またもやルーカスお兄様が僕に話しかけてきた。

　どうも、今日の冒険者体験とはまた違った野外活動らしい。

「今度は、王都郊外の衛星都市の建設現場を見たいという意見が出ている。学園担当で衛星都市担当のアレクの許可が出れば良いって宰相が言っていたよ」

「あの、僕は別に衛星都市担当じゃないんですけど……」

「実際には、アレクたちの魔法の恩恵が大きいからそう言われているのだろうね」

　思わずガクリとしちゃったけど、建設現場の邪魔をしなければ問題ありません。

　ということで、僕たちの入園試験が終わったあたりで衛星都市建設現場の見学をすることになりました。

　というのも、今日の冒険者体験についてレポートを提出しないとならないのです。

「リズたちも、学園に入ったらレポートを書かないと行けないんだよ」

「「「えー！」」」

　珍しくサンディもブーブーと言っているけど、レポートは規定の用紙があるからそこまで難しくはないと思うけどね。

　こうして本当に今日の冒険者体験は終了なので、僕は学園生と引率の先生をゲートで学園に送った。

　と、思ったらルーカスお兄様から連絡が。

　冒険者ギルドの食堂で食事をしてみたいってクラスメイトがいるらしく、学園終了後に迎えに来て欲しいという。

　人数を確認して食堂のおっちゃんに伝えたら問題ないってことだったので、ルーカスお兄様に返信しておきます。

　もちろんリズたちも一緒に食べるし、スラちゃんが学園に向かってルーカスお兄様を迎えに行く事になった。

「わあ、思っている以上にお洒落で美味しいわ」

「もっと豪快な料理だと思ったけど、そんな事はないんだ」

　食堂のおっちゃんの息子夫婦が作る料理は洗練されているので、貴族の子どもが相手でも全然問題ありません。

　もちろん、おっちゃんの作る豪快な料理も大人気だけどね。

　共通していえるのは、この食堂の料理はとっても美味しいってことだった。

　みんな料理研究に熱心で、常に新しい料理を作っている。

　試食という名の下で、腹ペコ冒険者がいつも食べているけどね。

　もちろん、僕たちも冒険者ギルドの食事を堪能しました。

　僕は午後から王城でお仕事なのだけど、ルーカスお兄様たちは僕の屋敷でのんびりすると言っていました。

　クラスメイトも僕の屋敷に来たらしく、ミカエルたちと一緒に遊んでいたらしいです。