九百四十八話 みんな土まみれで腐葉土集め
安息日の今日は、薬草採取をしながら腐葉土を集めます。
腐葉土用のマジックバッグをミカエルたちに配り、スコップも用意しました。
「たくさん集めるぞ!」
「「「おー!」」」
腐葉土集めはアイビー様から直々に頼まれたのもあってか、ミカエルたちはとっても張り切っています。
今日はルカちゃんとエドちゃんも辺境伯領に来ていて、同じくスコップを手にしてやる気満々です。
引率者はティナおばあさまとノエルさんで、エリちゃんとネコちゃんも来ているけど、辺境伯様の屋敷で一番小さい三人で遊んでいます。
ではでは、さっそく森に出発です。
「茂みの土は黒っぽくて細かい葉っぱとかが入っているけど、これが腐葉土だよ。栄養たっぷりで、野菜とかが元気に育つんだよ」
「これを集めるの?」
「そうだよ。でも、一箇所でたくさん集めちゃうと薬草の生育にも良くないから、何箇所から分けて集めよう」
リズはスコップで腐葉土が混じった土をすくい上げるけど、今日は分散して集めます。
周囲に魔物の気配もしないので、スラちゃんとプリンも触手でスコップを持って採取し始めました。
もちろん、薬草採取も忘れません。
冬だから風邪ひいている人も多くて、薬草の需要も高いんだよね。
僕も、マジックバッグに腐葉土を集めます。
「そういえば、回復魔法や水魔法を使える人は多いけど、意外と土魔法を使える人がいないんですよね」
「そこは、適性の問題だから仕方ないわね。でも、久々にアレク君の魔法の見せ所よ」
休憩中にティナおばあさまと話すけど、土魔法を使えるのは僕とスラちゃん、それにカミラさんたちとノエルさんです。
マジカルラットたちは風魔法がメインで、マジカルクラウドのクモさんも風系です。
他に誰か土魔法が使えないかなと思ったら、意外な存在が土魔法を使えました。
「ドラちゃんが、土魔法を使えるって!」
「グルル」
なんと、飛竜のドラちゃんに土魔法の才能がありました。
てっきり風魔法だけしか使えないと、殆どの人が思っていました。
畑作りだけじゃなくて、町作りの対応もできそうです。
ドラちゃんも、久々に役目を与えられたので張り切っていますね。
試しに、土魔法を使ってもらいましょう。
シュイーン、バシッ!
「「「おおー!」」」
「綺麗なアースバレットね。風魔法よりも上手だわ」
カミラさんも絶賛する土魔法だったけど、本来は飛竜だから風魔法の方が上手に使えるのではと思ったりもした。
でも、魔力制御も中々なのでドラちゃんは晴れて土魔法部隊に加わりました。
休憩しながらだけど腐葉土もたくさん集めたので、冒険者ギルドに薬草を納品してから屋敷に戻りました。
「あらあら、泥だらけね。みんな、お風呂に入りましょうね」
「「「はーい」」」
頑張って腐葉土を集めていたミカエルたちは、服だけでなく顔も手も土で汚れています。
侍従のお姉さんにも言われたので、みんな揃ってお風呂に向かいました。
リズたちも、一緒にお風呂に入ってくるそうです。
「アレク君は、服も全然汚れていないわね」
「汚れないように気をつけていましたから」
「その辺は相変わらずしっかりしているわね。応接室に皆さん来ているわよ」
どうやら、帰って来るタイミングを見計らって、小さな子たちと保護者が僕の屋敷にやってきたみたいですね。
レイナさんたちもミカエルたちとともにお風呂に入ったので、僕とジンさんは応接室に向かいました。
「あら、お帰り」
「「「おかーりー」」」
舌足らずな返事をする小さい子たちと、アリア様が僕たちを出迎えてくれました。
床で積み木を使って遊んでいますね。
「あら、他の子たちはどうしたのかしら?」
「土まみれになったので、リズやレイナさんたちと一緒にお風呂に入っています」
「ふふ、楽しかったみたいね。成果も期待できそうね」
森やお風呂の光景を思い浮かべたのか、アリア様だけでなく、ソフィアさんとアレクサさんもちょっと苦笑していました。
成果はバッチリなので、後は畑作りの際に活用するだけですね。
そして、お風呂から戻ってきたら賑やかな昼食になるだろうと思いながら、僕たちは食堂に向かいました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます