八百五十三話 いよいよ入園式当日
そして、いよいよ入園式当日となりました。
僕たちも早めに王城に向かいます。
「ねーねー、僕たちは勉強?」
「勉強なの?」
「みんなはお勉強よ。帰ってきたら、みんなで昼食にしましょうね」
「「「はーい」」」
ちびっ子軍団は、いつも通り勉強部屋でお勉強です。
勉強が終わったら、学園から帰ってきた僕たちと一緒に少し豪華な昼食になる予定です。
そして、ミカエルとブリットに答えたティナおばあさまも、僕たちと一緒に学園にいきます。
というのも、僕は学園関係者として参加予定で、ティナおばあさま、リズ、エレノアが入園式の来賓として参加します。
なんと今回の来賓挨拶は、初めてエレノアが行う予定です。
エレノアも、ある意味緊張していました。
なので、お留守番のサンディとイヨがちびっ子軍団の先生役です。
「着替えてきたよ! どうかな、似合っているかな?」
「うん、良く似合っているわ」
ルーシーお姉様も学生服に身を包んで、学園に行く準備を進めます。
同じく入園式に参加する王妃様も、娘の晴れ姿を見て目を細めています。
ちなみに、陛下はお留守番だそうです。
流石に警備を厳重にしているのだから、陛下という要素を入れるのは流石にどうかということになった。
陛下自身もそのことは良く分かっていて、結構前から保護者としての参加を辞退していた。
王城で待機して、何かあった際に動くことになりました。
準備が整ったところで、僕たちは王城から学園に向かいます。
馬車ではなくゲートを使うのも、安全の為です。
「おっ、やってきたな」
体育館に着くと、待ち構えていたジンさんが待っていた。
事前にゲートで向かう場所を教えていて、警備をお願いしていました。
いつもの体育館舞台袖口の控室に、生徒会のルーカスお兄様とアイビー様も来ていました。
ちなみに、スラちゃんやポッキーたちは体育館や学園内の巡回を始めています。
「取りあえず、今のところ問題はない。警備が厳重になったのも、王族が新入生としてくるからだと他の貴族も納得している」
「ルーカスの時も厳重警備で実際に魔獣の襲撃があったから、他の貴族も事情は良く知っているでしょうね」
ジンさんの報告を受けた王妃様も、問題ないと思っています。
まともな貴族なら今は闇ギルドとの争いが続いているのを理解しているし、理解出来なさそうな貴族は学園見学の際に弾かれています。
「今日は、できるだけ式典も短くするようにする。といっても、半分以上は学園長の話だから、手短にとお願いした」
「うーん、あの学園長の挨拶だもんね」
「手短に、うん、無理だろうね……」
レイナさんとカミラさんがルーカスお兄様からの話を聞いて苦笑しちゃったけど、僕も学園長の話を短くするのは難しいと思います。
今年も学園長は健在だし、きっとながーいお話になるでしょうね。
さてということで、それぞれがポジションに移ります。
ガヤガヤガヤ。
「おー、もう沢山の人がいるね」
「凄いの、いっぱいだよ」
今年は新入生も早めに体育館に来ていて、既に多くの人が席についていた。
僕たちは舞台上から眺めているけど、開会式三十分前なのに殆どの人が来ていた。
そんな中、ルーシーお姉様はさっそくお友達と話をしていた。
「ランちゃん、おはよー。今日もとっても可愛いよ!」
「ルーシー様、ありがとうございます。ルーシー様も、制服がよくお似合いです」
「えへへ、ありがとうね」
ルーシーお姉様は、隣の席のランさんに笑顔で抱きついていました。
王族と庶民だけど、とっても仲良くなりましたね。
王妃様も、保護者席で多くの貴族から挨拶を受けています。
王妃様もにこやかに対応しているけど、中には王族に近づきたくて必死な貴族もいますね。
「えーっと、皆さん、入園おめでとうございます……」
「笑顔で元気いっぱい読んだ方が良いよ!」
僕たちのところでは、エレノアが紙に書いた挨拶文を読み直していました。
本番もカンペ帳は使えるし、ちょっとくらい間違えても問題ありません。
リズも、エレノアと一緒になって自分なりのアドバイスをしています。
何だか微笑ましい光景ですね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます