七百四十八話 ちょっと残念なルカちゃんとエドちゃん
さっそく午後から、ジンさん達とスラちゃんはブランデー子爵の領地に向かいました。
昼食食べたらスラちゃんが高速飛翔で現地に行っているので、あとは長距離転移で一発です。
リズ達は引き続き王都の冒険者ギルドで集めた情報を精査しているので、執務室は相変わらず賑やかです。
「宰相、なんでモグラ叩きみたいに碌なことをしない貴族が次々と出てくるのでしょうか?」
「世の定めとしか言いようがないな。こういうどうしようもないのは、いつの時代も常に現れてしまうのだよ」
宰相と共に、思わず溜息をつきながら僕は書類整理を進めます。
闇ギルドの件も追わないといけないのに、国内から変な貴族が現れる。
愚痴を言っても仕方ないので、僕は情報を整理しているリズ達に声をかけます。
「リズ、エレノア、今はどんな感じ?」
「意見の分類は終わったから、細かい所を確認しているよ」
「辺境伯領とは違った意見が出て、とっても面白いの」
王都の冒険者ギルドには各地から冒険者が集まっているから、辺境伯領とはまた違った意見が出てきそうだ。
内務部署の担当者も集めた情報を確認に来ているし、色々な所で使い道が増えてきている。
そのうち、別の聞き込み調査を依頼されるかもしれないね。
ガチャ。
「あそびにきたよー」
「あれ? ジーは?」
と、このタイミングでルカちゃんとエドちゃんが近衛騎士のジェリルさんとランカーさんと一緒に執務室にやってきました。
お昼寝タイムから起きて、ジンさんと遊びたくなったみたいです。
でも、ジンさん達は残念ながらお仕事で不在です。
「ジンさんは、お仕事でお城にもいないよ」
「「えー!」」
折角執務室に遊びにきたのに、肝心のジンさんがいなくてルカちゃんとエドちゃんはかなりがっかりしています。
うーん、こればっかりはどうしようもないんだけどね。
「じゃあ、お姉ちゃんが遊んであげるよ」
「ルカちゃんとエドちゃんも、お姉ちゃんの所にやってきてね」
「「はーい」」
ここで上手くリズとエレノアがルカちゃんとエドちゃんに声をかけたので、何とか二人の気が紛れたみたいです。
ちょうどサンディとイヨも資料の後片付けをしているし、ここはメアリに聞いてみよう。
「メアリ、ちょうど切りの良い所まで終わった?」
「はい。今朝の冒険者ギルド分は大体終わりました。報告分も出来ているので、もう大丈夫です」
リズ達は結構手早く資料整理を行なうので、あっという間に今日分は終了です。
さっそく、みんなでルカちゃんとエドちゃんと遊んでいます。
と思ったら、ルカちゃんとエドちゃんが僕の所にやってきました。
一体何かあったのかな?
「ねーねー、いつになったらぼうけんできる?」
「やくそう、いっぱいとりたい!」
そっか、いつもミカエルが薬草採取は楽しいって言っているから、ルカちゃんとエドちゃんも冒険者登録したいんだね。
「うーんとね、ミカエルの王都での五歳の祝いが終わったら、たぶん大丈夫だよ」
「「おー!」」
元々他のちびっこ軍団も秋には冒険者登録する予定だし、ルカちゃんとエドちゃんも一緒に冒険者登録しようとしている。
まずは、二人とももう少し大きくなってからだね。
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