六百九十七話 たまには休憩したい
こうして、数日は勉強の日を除いて特別調査チームが稼働していた。
「お兄ちゃん、行ってくるね!」
「アレクお兄ちゃん、行ってくるの」
「気をつけて行ってきてね」
今まで勉強ばっかりだったリズ達は、勉強以外の事が出来るのでとても張り切っていた。
勿論ジンさん達も一緒で、レイカちゃん達はミカエル達と一緒に勉強部屋で勉強しています。
「いやはや、ひ孫といつでも会えるのは良い事ですな」
「全くですな。孫と会えるとなると、仕事の励みになりますな」
宰相執務室なのでよく他の閣僚も来るのだけど、宰相と商務卿はひ孫と孫と会えるパワーでやる気満々です。
仕事もはかどっていて、とっても良い傾向ですね。
「アレク殿下、こちらの資料の確認をお願いします」
「あっ、ありがとうございます。うーん、これは出し直しですね。ちょうど商務卿がいるので、持って帰って貰います」
ローリーさんも他の職員と仲良くなっていて、仕事も良く出来ています。
これで、僕の仕事が減れば御の字なんだけど、当分はそうはいかなそうですね。
「入園式が終わったら、今度は帝国と共和国と教皇国に行って話し合いなんて……」
「外務卿閣下と行くとはいえ、本当に忙しいですね」
「うう、たまには冒険者活動がしたいよ……」
僕がゲートを使えるので、どうせならという事で僕も話し合いに同行する事になっちゃいました。
スラちゃんやポッキーも長距離転移魔法使えるから、僕の代わりでも良いんじゃないかな。
特にスラちゃんは、各国の首脳ともお友達なんだし。
ああ、ここの所全く冒険者活動ができていないので、たまには薬草採取でもしたいなあ。
「アレク殿下、次の書類をお願いします」
「……はい、分かりました」
うん、心の中で愚痴ってみたけど、暫くは冒険者活動は無理そうだね。
僕はため息をつきながら、書類に意識を向けました。
「そうね、皆頑張ってるもんね。あと少ししたら、ゆっくりできるわね」
「特別調査チームの調査が終わって、アレク君の外遊が終わったら、皆でマロード男爵領の温泉にでも行きましょうね」
「「「わーい」」」
昼食時にこれからの予定の話になって、王妃様とアリア様が温泉に行こうと話をしていた。
リズ達も温泉が大好きだから、両手を上げて大喜びです。
「俺等も、やっとひと息つきそうだな」
「そうね。家の事はアレクサに任せっきりだし、一緒に連れていけるわね」
「マロード男爵領の温泉は、料理も美味しいから楽しみだわ」
ジンさん達も年初からずっと忙しかったから、温泉をとても楽しみにしています。
僕も温泉はとっても楽しみだし、お鍋もとっても美味しいんだよね。
「あうー」
「がうー」
「エリも温泉に行きましょうね。赤ちゃんも入れる温泉もあるわよ」
そういえば、まだ赤ちゃんだったルカちゃんとエドちゃんを連れて王妃様とアリア様が温泉に行っていたけど、確か公衆浴場だった気がするよ。
まあ、その場合でも、護衛はバッチリ付くだろうね。
でも、飛天虎の赤ちゃんは、流石に温泉には入れないんじゃないかな?
あとは、安息日じゃなければルーカスお兄様とアイビー様はお留守番になっちゃうね。
できれば、皆で温泉に行きたいね。
ちょっとやる気が出てきた所で、午後の執務を始めます。
「アレク殿下、特別調査チームからパワハラの現場を抑えたので来て欲しいと連絡がありました」
「はあ、またですか。ローリーさん、悪いですけど一緒に来てもらえますか?」
「畏まりました。直ぐに向かいます」
うん、まずはこの忙しい日々を何とか乗り切らないとならないね。
はあ、また書類整理が遅れちゃうよ。
僕はローリーと共に、急いでリズ達の元に向かいました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます