転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

五百五十三話 助っ人登場

　翌日、ルーカスお兄様達は予定通りに学園に向かいました。

「「いくー！　いくー！」」

　しかし、今日もルカちゃんとエドちゃんは僕達についていく気満々です。

　そこで、ティナおばあさまの秘密兵器が投入されます。

「ルカちゃん、エドちゃん、お姉ちゃんと一緒に遊びましょう？」

　一人目は、赤ちゃん大好きなメアリです。

　以前にもメアリはルカちゃんとエドちゃんと接した事があるし、赤ちゃんの相手もとても上手です。

　そして、秘密兵器二人目です。

「じゃあ、私はお絵かきや絵本を読んであげるね」

　二人目は、お世話もばっちりのルルーさんです。

　侍従の経験もあるしジンさんの赤ちゃんの世話もしているので、うってつけの役割です。

　昨日夜、ブランターク男爵領からクラヴィーアさんと共に辺境伯領から帰ってきました。

　そこで、ルカちゃんとエドちゃんの相手をして貰えないかと頼んだのです。

　この二人のお世話人が相手になると、流石のルカちゃんとエドちゃんも陥落しました。

　一緒に王妃様とアリア様のいる部屋に、素直に向かっていきました。

「じゃあ、私はルシアの子守りをするか」

「クラヴィーア先輩、その言い方は酷いですよ！」

　そして、クラヴィーアさんが僕達と一緒に行動してくれる事になりました。

　今日はチャールズさんがいないので、ルシアさんのストッパーとして皆の期待大です。

　レイナさん達は、今日も辺境伯領での調査を行います。

「あなたも、準備出来ている？」

「はい、問題ございません」

　そして、今日の捜索に参加する侍従もティナおばあさまの側にいます。

　ナイツ子爵邸にいた時と違う侍従服を着ていて、ナイツ子爵邸にいた時に着ていた侍従服は調査の為に軍で調べています。

　因みにこの侍従はナイツ子爵家のかなり遠縁にあたるそうで、継承権対象には入っていないそうです。

　遠縁という事で、他の侍従とは違ってナイツ子爵や嫡男の世話をしていたらしいです。

「よし、じゃあ行くか」

　メアリとルルーさんのお陰で僕達と一緒に行動出来るジンさんの掛け声で、僕はナイツ子爵領へゲートを繋ぎました。

「今日も午前中を捜索にあてて、午後は炊き出しと無料治療を行うわよ」

「「「はーい」」」

　ティナおばあさまの号令で、皆が動き出しました。

　僕、指揮官じゃなくても良いんじゃないって思いながら、侍従を先頭にしてナイツ子爵と嫡男と戦った執務室に向かいます。

　侍従は、執務室にある本棚の前に立ちました。

「実はこの本棚は動かす事が出来まして、地下に通じる入り口が現れます」

「よっしゃ、直ぐに動かすぞ」

「「「ジンさん、頑張って！」」」

「俺一人にやらせるんじゃなくて、お前らも手伝え！」

　ある意味ノリの良いツッコミが、リズ達に向けられました。

　皆で本棚を動かすと、板で塞がれた地下への入り口が現れました。

　すると、スラちゃんとプリンが触手で床を叩きながら悔しがっていました。

「秘密の入り口を見つけられなくて、悔しいみたいだよ」

　うん、リズの翻訳を聞かなくても今のスラちゃんとプリンの恰好を見れば一目瞭然ですね。

　でも、これで問題解決の糸口が掴めました。