四百四十六話 森の異変
今日、僕達は冒険者活動を行います。
メンバーは、僕とリズとサンディとイヨにプリンです。
ジンさんは結婚式の準備をしていて、ミカエルとブリッドは赤ちゃん達と一緒に遊ぶそうです。
ミカエルの所には、スラちゃんがついています。
なので、今日は付き添いとしてチセさんとノエルさんがついてくれます。
「おー、街中が飾りだらけだね」
「とっても綺麗だねー」
「凄い」
「以前のジンさんの結婚式よりも、ずっと派手だねえ」
実はジンさんの結婚式はまだ一週間先です。
ですが、既に街の飾り付けは進んでいます。
どう見ても、ジェイド様とソフィア様やジンさんとレイナさんとカミラさんの時よりもかなり派手です。
「おばちゃん、飾り付けが凄いね！」
「せっかくのジンの結婚式だからね。偉い人も来るっていうし、皆張り切っているんだよ」
「そうなんだ！」
リズが商店街のおばちゃんに話を聞いているけど、冒険者だけでなく商店街の人もやる気になっているのか。
この分だと、結婚式当日は街中が凄い飾り付けになりそうだぞ。
そんな街中を見つつ、僕達は冒険者ギルドに到着です。
「お、今日はジンがいないのか」
「はい、結婚式の準備をしています」
「そうだろうな。あと一週間後だしな。食堂のおっちゃんも、新メニューを考案していたぞ」
顔馴染みの冒険者のおっちゃんが、僕達に話しかけてきます。
ジンさんが一緒でない事に、直ぐに納得してくれました。
冒険者ギルドも、結婚式に向けて準備を進めている様です。
そんな中、僕達は薬草採取を行いに森に向かいます。
各地の研究所でも薬草を必要としているので、薬草の需要は絶えません。
そして、今日はいつものおばちゃんと共に新人冒険者も一緒にいきます。
ジンさん位の年齢の男性冒険者四人組です。
「とりゃー！」
「「「「凄い……」」」」
新人冒険者は僕達が薬草採取名人だとギルドから教えてもらった際は、かなり疑問の目を向けていた。
しかし、森に入って現れた大きな猪をリズが瞬殺すると、僕達に対する考え方が変わった様です。
「ほらほら、血抜きをするから新人はこっちに来るんだよ」
「「「「は、はい」」」」
そして血抜きの練習をする為に、おばちゃんが新人冒険者を呼びます。
うーん、もう見慣れた光景だなあ。
そしてちょっと気になった事があります。
「ノエルさん、森に入ると毎回オオカミや猪と遭遇するんですけど、これって動物が多いって事ですか？」
「いいえ、寧ろ森の大きさに比例しても少ないですわ。もっと多くの動物が現れてもおかしくないですよ」
「そうなんですね」
確かに直接僕達を襲ってくるのは、毎回数頭レベル。
遠くにいて襲ってくる気配のない動物はスルーしているし、それを考えるととっても平和な森なんだなあ。
「じゃあ、次はリズが薬草採取を教えてあげるね」
「「「「はい！」」」」
おばちゃんのスパルタ式血抜き講習が終わったので、次はリズによる薬草採取講座です。
新人冒険者はおばちゃんにしごかれた後なので、だいぶホッとしています。
今日はスラちゃんがいないので、代わりのプリンが張り切っています。
「では、僕は探索を行なって周囲を警戒しますね」
「私も探索を行いますわ」
僕とノエルさんで探索魔法を周囲に張り巡らし、その間にリズ達が薬草採取を行います。
チセさんもイヨも一緒になって、楽しそうに薬草採取を行なっています。
探索の端の方で動物が通過するだけで、周囲に特に危険はありません。
「いっぱい薬草が採れたね」
「そうだね」
午前中いっぱいかけて、目標量の薬草が採れました。
サンディとイヨも、沢山の薬草が採れてご満悦です。
と、その時でした。
「ノエルさん、複数反応がこっちに向かってきます」
「私の探索魔法も何かを検知したわ。全員戦闘態勢を」
「「「「はい！」」」」
「「「「ええ！」」」」
リズ達も何かくるのを察知したのか、直ぐに剣を抜きました。
一方の新人冒険者は、突然の事態に戸惑っています。
僕達で新人冒険者を守りつつ、襲ってくる何かを倒すというミッションがスタートです。
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