三百九十二話 炊き出しとゴキブリホイホイ開始
話し合いは終わったので、炊き出しの前に追加の人員を呼び寄せます。
王城からは近衛兵のジェリルさんやランカーさん達に加えて、この人がやってきました。
「子育てばっかりで運動不足だったので、丁度動きたいと思っていたのよ」
「ですわね。その気持ちは良く分かります」
先ずは、王妃様とアリア様が王城からやってきた。
ルカちゃんとエドちゃんは、辺境伯様の屋敷で他の赤ちゃんと一緒に見てもらっています。
つまり、王族は陛下だけが王城でお留守番しています。
これで良いのかはさておき、王妃様とアリア様はとってもやる気になっています。
「最近不審者の動きが少なくてな。少しでも情報を得れれば儲け物だ」
続いて王城からやってきたのは軍務卿だった。
不審者の動きが鈍いので、軍としても不審者対策をする為に情報を集めたいらしい。
ついでと言わんばかりに、兵が五十人位ついてきました。
「バイザー子爵領はお隣だからね。何かあったらあたしらの所にも被害が出てくるな」
「そうだな。久々に合法的に暴れられるぞ」
「おう!」
薬草採取でいつも一緒になっているおばちゃんや、冒険者のおっちゃんも十人以上やってきました。
どうも名目上は炊き出しの手伝いと沢山集まった高貴な護衛の依頼で、辺境伯家と王城からきちんと報酬も支払われる様です。
ならず者を捕まえる事もあると伝えると、おばちゃん達は俄然とやる気になっています。
因みにおばちゃんは僕達と話を終えた後、普通に王妃様とアリア様とティナおばあさまと談笑をしています。
「ブッチー達も、頑張ってね」
「「「ヒヒーン」」」
勿論ポニさん達も、とってもやる気になっています。
ポニさん達が、この作戦の要でもあります。
という事で、バイザー子爵領版ゴキブリホイホイ作戦を開始します。
今回は、何と言ってもバイザー子爵家当主のミカエルの存在があります。
ならず者としては、よだれが出るほど美味しい餌だろうな。
今回の炊き出しと無料治療は屋敷前で行います。
屋敷前には既に多くの人が集まっています。
炊き出しと無料治療の準備は完了なのですが、既にポニさん達とならず者捕縛部隊が活躍しています。
「ブルル」
「お、こいつだな」
「おい、何で分かった!」
ポニさん達に加えて、アイビー様の従魔のアマリリスも大活躍。
ならず者を次々と見つけては、ならず者捕縛部隊が捕縛していきます。
そして捕まったならず者は、拘束された上で屋敷の庭に集められます。
「早速やってきたな。たっぷりと絞ってやらないと」
「ふふ、どんな情報を持っているのかしらね」
「ええ、とっても楽しみですわ」
「「「ヒィィ……」」」
屋敷の庭に集められたならず者は、早速軍務卿と王妃様とアリア様からの尋問を受けています。
殺気を漏らしている三人を目の前にして、ならず者は思わず震え上がっています。
ならず者はガッチリと手足を縛られているし、沢山の兵にも囲まれています。
「くそ、何故ここにババアがいやがるんだ!」
「あらあら、お行儀が悪い子はお姉さん嫌いよ」
「ちょっとだけ懲らしめてあげないとね」
「ギャー!」
「「「ガクガクブルブル、おっかね……」」」
そして、暴言を吐き態度が悪いならず者を王妃様とアリア様が何かをしている様です。
わざと他のならず者の前で王妃様とアリア様が何かをしたらしいので、他のならず者はブルブルと震えています。
因みにその何かっていうのは、後で聞いても僕達には教えて貰えませんでした。
「お前ら、死んだ方がマシということもあるのは知っているか?」
「「「ヒィィ!」」」
そして、軍務卿がニヤリとならず者の前で話をしていた。
どうやら、他のならず者は大人しく白状する気になった様です。
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