第六話 みんなでバーベキュー!

 テントを立てて、寝床の確保。

 このテント大きいけど設営しやすくて助かる。

 お、ランタンみたいな魔道具も入っている。なになに、ここを押せば明かりがつくのか。

 テント設営に格闘すること二十分、本日の寝床が完成!

 っと、そこにミケが枝を抱えながら戻ってきた。


「お兄ちゃん、一杯枝を集めたよ! うわあ、大きなテントだね!」

「お帰りミケ。一杯枝を集めてくれてありがとう。なでなで」

「うにゃあ」


 ミケの頭をなでなでして、枝を集めてくれたお礼をした。

 晩御飯の準備も頑張らないと。


「二人とも晩御飯は何がいい?」

「「肉!」」

「くすくす、了解」


 二人の元気なリクエストに応えて、今晩のメニューはお肉メインで行きましょう!

 アイテムボックスの中のお肉はと……、うん、色々な種類が入っているな。

 とりあえず今夜は、薄切り肉のハンバーガーでも行きますか。

 シルにはがっつりお肉を焼いておこう。

 パンが余ったら、りんごもあったからアップルサンドでも作ろうかな?

 しかしながら、アイテムボックスの中には火を起こす魔道具もあったし調味料も色々あった。

 本当、神様? に感謝感謝。


 まずは、近くの川からバケツで水をある程度取ってくる。


「お兄ちゃん、手伝うよ!」

 

 ミケが手伝ってくれたのだが、獣人の怪力恐るべし。

 俺より重い量の水を軽々と持っている。

 ちょっと気持ちが凹んだのは内緒です。


 少し地面に穴を二つ掘って、ミケが持ってきた枝を入れて、火を起こす魔道具で着火。

 火が起きて頃合になったら、片方はやかんでお湯を沸かして、もう片方に網を載せて調理開始!

 先ずはシルの為にお肉をガンガン焼こう!

 一部は別の料理の為にお肉を薄く切って、残ったお肉をブロックにして焼きます!

 ……既に、ミケとシルはよだれを垂らしながら待っています。

 

 やかんの中のお湯が沸いたら、一旦やかんを置いて、今度はフライパン登場!

 先ずは先ほどの薄く切ったお肉を焼きます。

 焼けたら、焼き肉のタレで味付け。……何で焼き肉のタレまで入っているのか?

 肉を一旦皿によけて、フライパンを軽く洗って、今度はパンを軽く焼きます。

 パンが焼けたら、焼き肉のタレで付けたお肉とレタスとトマトをパンで挟んで、なんちゃってバーガーの完成。

 今度はリンゴを切って、砂糖と一緒に焦がさないように焼いてパンで挟んでと、なんちゃってアップルサンドの完成!

 シルのお肉も焼けたので、これで準備万端!

 飲み水は先ほどのやかんのお湯を冷まして使います。

 川の水でお腹壊したら大変だからね。

 ……ミケとシルは、お腹からぐーぐー音がなっていて、尻尾をぶんぶん振り回しています。


「「「いただきます!」」」


 先ずはハンバーガーもどき、うん、急いで作った割にはよくできている。

 お肉も焼き肉のタレをつけて食べているが、いつもよりも美味しい気がする。


「お兄ちゃん、とってもおいしいよ!」

「主人、とってもうまいのだ!」


 二人も満足してくれて、笑顔で食べてくれています。

 アップルサンドもどきも好評でした。


 ……そっか、いつもソロキャンプだったけど、誰かと一緒に食べるから美味しく感じるのかな?

 そんな事を考えながらの、あったかい夕食でした。


 どうも作ったものでもアイテムボックスに収納可能らしいので、ハンバーガーもどきとアップルサンドもどきは少し数を作ってアイテムボックスに収納。

 念のためにさっき煮沸して置いた水も、容器に入れて収納しておいた。

 驚いたことに、アイテムボックスに入れたハンバーガーは取り出しても熱々だった。

 もしかして、時間の経過がないのかな?


 夕食の後片付けをして、今日は就寝です。

 本当はお風呂に入りたいけど、今日は我慢してテントの中でタオルを濡らして体を拭くくらいにします。

 ミケの体も拭いてやります。ミケはちょっとくすぐったそうでした。


 今日はミケのリクエストで、みんなで川の字で寝ます。

 夜になっても外気は暖かいのですが、念のためタオルケットをかけて寝ます。

 ミケは眠たいのか、少し船を漕いでいます。


「我がいるから、魔獣の気配も直ぐにわかる。主人は安心して寝るが良いぞ」


 なんとも頼もしいシルの言葉に甘えて、異世界一日目の夜がふけていきます。

 直ぐにミケの寝息が聞こえてきました。

 ……さっきの食事でも思ったけど、誰かと一緒にいるのはいいなあ。

 そんな事を思っていたら、ミケがぎゅっと抱きついてきました。

 俺はなんだか温かい気持ちのままで、眠りにつきました。

 

 ……俺の名誉の為に行っておくが、俺は決してロリコンではないぞ!

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