第13話 ペロル、兵長の元へ向かう
昼まで寝ていたペロルはお腹が空いて目が覚めた。一階に降りると今度は姉の方が受付を担当していてペロルに話しかけてくる。
「今朝、急に来たって聞いたけれど大丈夫なの?」
「ちょっと村と道中で問題があってな。とりあえずは大丈夫なはずだ」
「そう。あんまり無理はしないようにね。妹もなついているし常連さんがいなくなるのは困るから」
「分かったよ。じゃあ腹が減ったから外に出てくる」
ペロルは鍵を渡し、外を出た。冒険者ギルドに向かう道中にある屋台で昼食を済ませて冒険者ギルドまでたどり着いた。
ペロルが冒険者ギルドに着いたのは昼過ぎの時間で冒険者が仕事でギルドにいない時間だ。案の定、いつもの受付嬢のミーシャさんが手招きするので向かった。
「ペロルさん。早いですね。もう帰られたのですか?」
「予定では今日の夕方に戻る予定だったのだが、少し問題が起こってな。夜に村を出て今朝着いた。今来たのは昼まで寝ていたからだな」
「それは、お疲れ様です。それでは依頼票を出していただけますか」
ペロルは依頼票を手渡した。ミーシャさんは全ての依頼票にサインがしてあることを確認して成功報酬をペロルに手渡す。
「ペロルさん。実は西側にある村にも手紙の配達へ向かって欲しいのですが依頼を受けていただけませんか?」
「実は東の村に行ったときに病気の子供を治療院まで運んできていてな。ちょっと責任があるから街を離れるのは避けたいんだ。街中の依頼なら受けるから少し待ってくれないか?」
「そういう事情なら仕方ありませんね。でも依頼を受ける人がいないのでペロルさんの予定が空くまで依頼は残っていると思います。その時はよろしくお願いします」
「分かった。この後も少し用事があるからもう行くよ」
そう言ってペロルは冒険者ギルドを出て、東門へと向かう。東門に着くと例の門番が通行人の整理をしていたが、ペロルのことを見つけると同僚に仕事を任せこちらに駆け寄ってきた。
「あんたに話があったんで来てくれてちょうどよかった。実はオークの話を聞きたいと団長が話していてな。今から少し時間はあるか?」
ペロルは頷いた。すると、男は同僚に声をかけ東門から離れた。ペロルは後を着いていくだけだが、向かっている先は唯一街中で立ち入りが制限された中央区の一部らしい。
そこには大きな建物と広い敷地があるのだが、ペロルはその建物の中、部屋へと通された。
「君がこの地図を書いたという男か。その節は助かったよ。それはされておき、東の村への道中でオークを視たらしいね。しかも弓を使っていたとか。その話を詳しく聞かせてくれないか?」
ペロルは頷いて事の経緯から説明し始めた。
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