(5)見慣れた天井の、ここは私の秘密基地なのです

 蔦の這う壁の細い路地を抜け、お姉さん達なら背伸びをすれば天井に手が届くアーチを抜けた先にあるのは、壁に囲まれた右奥に細長い空き地です。

 区画整理の末に中途半端に余ってしまった土地さながらのその空き地の真ん中には、大きな木が狭い空に枝を伸ばしています。

 高い壁に囲まれた日当たりの悪いその土地には、他に見るべき物も有りません。生えている雑草も、膝丈に届かない背の低い物ばかりです。

 ……いえ、端っこの方にはこっそり育てている秘密の菜園も在るのですけれど。


 家を建てるには狭いし細長いけれど、無理をすれば建てられない事も無い。ですけど、こんな場所にそんな不便な家を建てても、誰も住むとは考えられない。

 そんな感じの放置されたその土地は、秘密の隠れ家には絶好の場所でした。

 しかも、そんな目立たない物件というだけでも好都合でしたのに、此処にはもう一つ隠れた秘密まで有ったのです。


「さあ! 此処ですよ!!」


 くるりと振り返って、手を振り上げれば、リダお姉さんもディナ姉も、きょとんと目を瞬かせました。


「はー? どこー??」

「うわっ! 壁の隙間と思わせて、木の虚が正解だったって事!?」


 首だけ振り向いて真ん中の木を仰ぎ見ます。

 そうでした。此処からでは見えないのですよ。


 とことこと左手の壁際に近付いて、右手で木の奥、左側の壁を指差しながら、左手でパタパタと手招きをします。


「あれですよ!!」


 ……反応がありません。

 よく似た表情で、二人のお姉さんは首を傾げていました。


「ふぃ~~……自慢の秘密基地に案内出来たのです。今日はもう、お開きですね!」


 何となく、手の甲で額を拭いながら言ってみましたら、脇の下に手を差し込まれてリダお姉さんに持ち上げられてしまいました。


「ディジー? 最後まで案内しようねー?」


 むー。上手くいくと思ったのですが……。

 仕方が無いので、木の向う側、空き地の奥へと案内します。

 そこから左手の壁の上を指差せば、天井が高めの家の三階程の高さに、何故かそこだけ壁が食い違った様な凹みと、一本壁から突き出た棒が見えました。

 棒を付けたのは私ですけれど、凹みは元から有ったものです。この界隈は、ちぐはぐな通りや空き地といい、ちょっと手抜きが多いみたいですね。

 私にとっては大歓迎なのですけれど。


「はー?」「はぁ?」


 ぽかんと見上げるリダお姉さんとディナ姉です。


「こっちから上がるのですよ?」


 そう言って奥の壁へと向かえば、やはり目だけで同じ様に私の後ろ姿を追い掛けます。

 まるで頭が働いていない様ですけれど、何だか秘密基地への案内は気恥ずかしい気持ちが大きくて、ここはささっと済ませるのです。


 お姉さん達が見ているのを確認してから、グッと足裏に力を込めて、奥の壁へと走ります。

 壁に当たるその前に左に向かって進路を変えて、斜め上へと奥の壁を駆け上ります。

 足での受け流しを駆使すれば、壁へと向かう勢いが無くなる前に、半分は壁を登ることが出来るのです。

 失速するその前に、壁に這わした手も使って、今度はそこから左手の壁に向かって勢いを付けて、それから後は同じ様に。

 最後は壁の僅かな凸凹にブーツの端を引っ掛けながら、自分で取り付けた壁の木の棒に手を掛けて、木の棒にぶら下がる様にしてクルンと壁の凹みに体を引き込みました。

 引き込んだ其処は完全に謎の壁の凹みで、人が一人立つ程度の幅しか有りません。右手側、つまり空き地の奥側は煉瓦で埋められていましたが、左手側はほんの少し表の壁が張り出してきていて、陰になったその奥に私作の黒い扉が取り付けてあります。

 其処こそが、誰にも内緒だった、私の自慢の秘密基地なのです。


「さぁ! 来てください!」


 扉側の壁に手を掛けて下を覗き込みながら声を掛けると、登り道を眺めていたリダお姉さんがこちらを見上げて、暫くしてから「くふー!」と声を立ててくずおれました。そのままゲラゲラと笑い始めたかと思うと、ニヤリと笑ってまたこちらを見上げます。

 立ち上がって二三歩後ろに下がったと思うと、ダッと真っ直ぐ壁に向かって、ダダダダンと四つ足音が聞こえた後に、私の左の足下の縁を指先が掴んで、ニヤリと笑ったリダお姉さんが壁の凹みに体を引き上げてきました。

 私ではまだ真っ直ぐは登れませんので、少しむっとして、


「減点です。壁に足跡なんて付けたら、見つかってしまうじゃ無いですか」


 そんな事を言ってしまいましたが、私の後ろの扉の向こうには私の秘密基地が在るのだと思うとやっぱり恥ずかしくて、扉の前の暗がりに引っ込んではこそっと上目に見てしまうのです。

 嗚呼、本当ににやにやしたその顔が腹が立つのですよ!


「次はディナ姉ですよ!」


 半分壁に身を隠しながらディナ姉に呼び掛けましたけれど、反応が有りません。


「――ディナ姉??」


 覗き込みながら首を傾げると、「ひゃっ」と声を上げてディナ姉が跳び上がりました。


「無理! 無理無理! ムリムリムリムリっ!!」


 時折こぶしを振りながら、壊れた様に首を横に振り続けます。

 今度は困った顔でリダお姉さんを見上げてみれば、リダお姉さんは「ぐひゅっ」と体を揺らしてから、焦った様に壁にしがみつきました。


「あ……危ないねー……。――ディー! なまってねーかー! 取り敢えず試してみー!」


 言われたディナ姉はぱたぱたした動きを止めましたが、そのままぐるぐるうろうろ辺りを歩き始めました。歩いた後に、エプロンドレスの裾をぎゅっと縛っています。だから、そんな服で大丈夫かと聞いたのですけれど……。

 リダお姉さんと同じように助走をしてから壁を蹴って、でも半分も登らないうちに壁を蹴り放して落ちていきます。


「無理ぃ~~!!」


 泣きそうな声が響きます。


「ロープでも持ってくりゃ良かったかねー」


 壁に体を預けながら笑いに体を震わせているリダお姉さんのその言葉に、私はハッと顔を上げて、壁の奥へと向かいました。黒い扉を開けてその向こうの作業場へと潜り込みます。

 壁の中と言っても、壁の上を大人が走り回れる厚みの壁です。作業場は私が腕を伸ばして横に数人は寝られるだけの幅がありました。

 その入り口近くに置いてあるロープを結び付けた桶を手に取って、直ぐ様引き返そうとして、勝手に入ってきていたリダお姉さんに困った顔を向けました。


「……へー、壁の中は、こんなになってるんだねー」


 壁の中は、街の中の壁に開けられたアーチがずっと続いている様な、石材で作られた円い天井の通路になっていて、時々斜めにバッテンに木の柱が入れられています。

 大体通路の幅の四倍位で、石材で通路が閉じられて一つの部屋になっていましたが、私の見つけたこの空き部屋は、今は扉で閉じていますけれど次の部屋に続く壁が閉じきられていなくて、続き部屋の様になっていました。

 なので、手前を作業場にして、奥の部屋が生活の場なのです。

 見つけた当時は酷く汚れて、虫と蜘蛛の巣と木の葉のごみで溢れ返っていましたけれど、真っ黒になりながら掃除をしたお陰で、今では普通に片付けられた綺麗な部屋なのです。


 でも、秘密の部屋の中を見られるのは恥ずかしくて、桶を持ったままぐいぐいとリダお姉さんを押し遣れば、ひょいと横に逃げられてしまいました。


「お姉ちゃ~ん、ディジーぃ、置いてかないで~~!」


 ディナ姉が呼んでいるので、リダお姉さんに構ってばかりもいられません。

 思わず「う~う~」と唸りながらも、扉を抜けて、壁の凹みからロープの付いた桶を下ろします。

 荷物を持っては壁を上り下り出来ませんから、これはいつも荷物を上げ下げする為の桶なのです。


「ディナ姉、乗ってください!」

「え? これぇ? ――わ、ひゃっ! や、やめ! 揺らさないでぇ!」

「ディナ姉、暴れないでください!!」


 部屋の中から、リダお姉さんが「お花があるねー」なんて言っている声も聞こえてくるのですから、大変に焦ってしまうのです。


「リダお姉さんも勝手に見てないで、手伝ってくださいよー!」

「ん? んん? 何してんの?」

「ディナ姉を引っ張り上げるんですよ!」

「んんん??」


 首を傾げながら私からロープを取り上げたリダお姉さんは、ディナ姉に桶から出る様に言って、桶も引き上げてしまいました。ロープが括り付けられた部屋の中のバッテン柱を念入りに調べると、ロープの要所要所に断りを入れてから結び目を作っていってしまいます。


「ほれ、ディー。自分で登って来なー」


 壁の凹みから這う様に身を乗り出して見下ろせば、ロープの結び目を足掛かりに、ディナ姉がロープをよじよじ登って来ました。


「ひゃ、冷た!」

「あ、ごめんなさい。よだれが垂れました」

「え、ええ!? ディジー!?!?」

「ん? おー! う、は、鼻水がーー」

「お、お姉ちゃん! やめて! やめてよ!!」


 壁の凹みまで登って来たディナ姉は、疲労困憊ぐったりと疲れ果てていたのです。



「ふわ~……お花があるね~……」


 作業場の壁際は、鍛冶仕事で出た使えない屑鉄を叩いて作った鉄のお花で埋められています。


「フクチナ草に、シダリ草かー。おー、黒岩豚がいるねー」


 部屋の中程には、いつもの作業道具と、木彫りの黒岩豚に黒岩豚の革の端材を貼り付けて作った小さな黒岩豚がいます。……作業をする時の、丁度良い椅子なのです。


「あ、ほんと、黒岩豚だ!」


 ……座れば仕込んだ鳴き袋が「ブー」と鳴くのですけれど、恥ずかしいので内緒です。


「道具も綺麗に片付けてるね」

「光石がこれだけ有るって、ディジーは『魔力制御』持ちかー。……今更だねー」


 こんな壁の中の部屋ですから、外の光なんて入ってきません。あかりは光石が頼りです。部屋の中には何処でも拾える光石がこれでもかと仕込んでいて、何処でも適当に触れながら魔力を流せば、暫しの灯に不自由はしない様にしていました。


「『木工』、『鍛冶』、『革細工』、それと『隠形』、『隠蔽』。『軽業』に『身体強化』もかー? 『無音歩行』もあるなら、複合の『隠密』も有りそうだねー。 ったく、とんでもねー初級冒険者だなー」

「迷路みたいな南地区で迷いもしないから、『方向感覚』も有るよね!」

「あー、ディーの『方向音痴』は持って無さそうだなー」

「そ、そんな技能持ってないよ!」


 興味深げに辺りを検分する二人は、丸で私を気にしていません。

 こっちはさっきから、二人の視界を遮ろうと前に回っては、恥ずかしくなって後ろに隠れるの繰り返しですのに、不合理です。


「でも、これは、生活する場所じゃ無いねー」「――無いよねぇ」


 そんな私を無視していた二人の視線が、同時に私に突き刺さり、にこやかな笑顔で同じ台詞を口にします。

 ぞわりと背中が震えました。

 本気になった二人には、逆らっては駄目なのです。


 ササッと奥の壁に駆け寄って、石の出っ張りを引っ張れば、石壁に偽装した奥の部屋の扉が開きます。ちらりと一度振り返ってから、奥の部屋の奥へと走って、そのままいつもの布団の中に潜り込みました。

 奥の部屋の三分の一を占める寝台は、木箱に寝藁を詰めてシーツを掛けた寝床に、ふわふわな秋のサシャ草を詰めた上布団を掛けたもの。冬場だって寒くはありません。

 布団の中で体の向きを入れ替えて、そっと隙間から部屋の入り口を覗き見れば、折角灯も付けずに来たというのに、手持ちの光石を掲げてリダお姉さんとディナ姉が入ってくる所でした。


「ふわぁ~~~~」

「こいつは、予想以上だねー」


 そんなにじろじろと部屋の中を見ないで欲しいのです。

 リダお姉さんもディナ姉も、怖い顔をして部屋の心配をしていましたけれど、私だって綺麗な部屋で暮らしたいと思っているのです。

 掃除をして綺麗にした石壁の部屋には、壁にも床にも綺麗に磨いた木の板を張って、天井も白い壁土材を塗って光石も埋め込みました。普段生活している部屋ですから、この部屋ばかりは廃材なんて使ったりしないで、冒険者として稼いだお金をぎ込んでいるのです。

 入り口を入って直ぐ右には、服を吊した服掛け棒が。母様から頂いた服や予備の装備もここに掛けてあります。

 左手側には丸太が立て掛けていますけれど、これは鍛錬の為の物ですね。ディナ姉が「蝶々チョウチョ?」と首を傾げていますけれど、刺さっているのは蝶々では有りません。

 そこから寝台までの間には、背の低い棚と、棚の上に飾られた、これは色が塗られた鉄の花です。

 寝台の左側にも棚が有りますけれど、こちらは天井までの高さで据え付けました。

 棚の中には色々と大事なものを仕舞っていますけれど、量はまだそんなに有りません。鍛冶や細工の材料は作業場の方に置いてあるので、精精せいぜいが拾い集めた光石や色石の類いに、完成品の細工物、それと部屋でも出来る作成途中の細工物ぐらいです。

 部屋の真ん中が寂しい感じですけれど、いつか絨毯か毛皮の敷物を飾りたいですね。

 こっそり奥の壁の向こうに、寝台と同じ位の大きさの隠し小部屋も作ってしまいましたが、其処はまだ空っぽなのでした。


「あ、危ないですよ!」


 「何これ?」と首を傾げて鉄の花に手を伸ばしたディナ姉に、思わず声を掛けてしまいました。

 え? と手を引いてこちらを見るディナ姉に、仕方が無いともぞもぞと布団から手を伸ばして、摘まみ取った鉄の花の花びら一枚。手首の先をしならせて放り投げれば、キンと音を立てて、また一枚、丸太の飾りが増えました。

 因みに、こういうときは、「投げる」と言うより「打つ」という言い方のほうが好みです。


「え? え?」


 戸惑っているディナ姉とは違い、リダお姉さんは顔を手で覆いながら「ディジーぃい?」とにじり寄ってきたので、また布団に潜り込んで隙間から見上げたのです。

 そんな私は、くつくつと笑うリダお姉さんに、「い奴めー」と、布団の上から掻い繰りされてしまうのでした。



 枕元の握り拳程ある大きな光石に魔力を注いで火を入れます。ついでに天井の光石にも手を翳して魔力を注げば、暗い部屋が真昼の様な光の下に照らし出されます。


「遠隔での『魔力制御』って……いや、『魔力操作』かねー。隊長さんには推定でランク十二なんて言ったけどー、こりゃーそれどころじゃないかもねー……」

「お姉ちゃん、そんなに凄いことなの?」

「『魔力操作』が出来たら魔術の幅が一気に広がるからねー。あたしもあんなに何気なく使うなんて出来やしないよー」


 そんな言葉に、私は少し得意になって、ふふんと胸を張るのです。


「鍛冶の燃料を節約するのに、便利なのですよ!」


 でも、リダお姉さんは、呆れた様な目を向けて、また別の言葉を口にするのでした。


「それに、その大光石。百体討伐のギフトかねー?」


 枕元の大きな光石を見て、そんな事を言います。


「あ! お姉ちゃんも持ってるね」


 はて? どういう事でしょうか。


「この光石は拾ったのですよ?」


 然も有りなんと、リダお姉さんは頷くと言いました。


「ギフトってのはそういうもんさねー。あたしの時も、百体討伐と同時にどこからともなく落ちてきたよー」

「はぁ……。でも、毛虫しか倒していませんよ?」

「毛虫でも討伐は討伐ということかねー。はー、こんな毛虫が増えてるのかい。百匹もいるとなると、嫌だねー」


 リダお姉さんが寝台から抱き上げたのは、私と同じ大きさぐらいの毛虫の縫いぐるみです。森の毛虫とは違って、蠢蠢うごうごと動く細長い毛玉です。春のサシャ草を乾燥させたのを毛皮の代わりにして、色取り取りの花の汁で染め上げた、色鮮やかな巨大毛虫です。


「そ、それは違いますよ!? それはちょっとした気の迷いなのです」

「気の迷い?」

「森の毛虫はそんなに綺麗では有りません。色も茶色で、気持ち悪い生き物なのです。……可愛くしたら、気持ち悪さも無くなるかと思って作ったのですけれど、失敗なのです」


 リダお姉さんが抱えた毛虫ぐるみを撫でていたディナ姉が、「そんなこと無いよ」と言いますけれど、やっぱり毛虫は毛虫なのです。


「見てください。こっちは草原リスの縫いぐるみです。……そしてこっちは可愛く作った毛虫です。…………ふぅ、駄目ですね。丸まらせたらほとんど同じ見た目ですのに、毛虫はやっぱり毛虫なのですよ」


 ディナ姉が思わず手を伸ばしていた鉄の花に乗っていたのも、小さく作った毛虫ぐるみでした。可愛くならないかとつい熱中して、部屋中のお花に毛虫を飾れる位に作ってしまったところが、何とも言えない気の迷いなのです。

 対比するのに作った草原リスや草原猫の縫いぐるみが、思ったよりもお部屋を可愛くしてくれましたので、終わりよければというところなのかも知れませんが。

 折角作ったのだからと巨大毛虫ぐるみを捨てる事も出来ないのが、自分の事ながら業の深さを感じてしまうのでした。


「か……可愛いっっっ!!」


 ほら、ディナ姉も、草原リスの縫いぐるみには抗えないのです。毛虫ぐるみとの反応の違いは、語るまでも無いという事ですね。


 それから後は、幾つかの取って置きの光石に色石を見せたり、作り掛けの革細工を見せて意見を聞いてみたり、お姉さん達も実際に部屋を見て安心したのか、始終穏やかな時間が過ぎました。

 お昼になって、コルリスの酒場で仕込みをしないとというディナ姉を送る段になって、下りる時には飛び降りるのですと言うとディナ姉が泣きそうになっていましたけれど、結局登った時と同じようにロープを伝って下りていきました。


 リダお姉さんと私はピョンとジャンプです。軽く足裏を壁に当てて滑らせて、壁の中程で蹴り放して、くるりと一回転して着地です。一番初めの頃は、壁の突起を伝って上り下りすることしか出来ませんでしたから、私も進歩しているのです。


 お喋りをしながらの酒場への道。「絶対に秘密ですよ!」と念押しをして、そしてお姉さん達とはコルリスの酒場で別れたのでした。


 嗚呼、嗚呼、本当に秘密でしたのに、内緒の秘密基地で三人でお喋りした時間は本当に楽しくて、胸がどきどきざわざわとして、一人でなんかいられなくて、それでその日は本当に久しぶりに、私も母様達の居る実家へと帰ったのでした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る