第14話 拝命

勇者が“勇者”と言うのを貰ったのは成人した時らしい。成人と同時に王城に呼ばれ、そこで勇者を賜ったと言う。そこには王国関係者だけでなく聖国の宗家僧侶や帝国の剛将武官、連合国の上級商家と言う国の名だたる重鎮達が鎮座して居たらしい。きっとそこまで重要な事だったのだろう。


そこで最初に言われた事が「魔王を討伐せよ」と言う言葉だそうだ。そにため勇者はまず魔王城に続いてる道がある帝国に行こうとしたらしい。そこで、リンド村に続いてムント村に来たのだそうだ。


だが、サナン村で負けてしまった為、魔王軍が帝国と王国の道を封鎖し敢えなく王国に戻って来たと言うことみたいだ。


そしてリンド村では、色々と村民を助けていたらしく、逃げた羊を集めたりだとか、農作物の採取の手伝いだとか色々やっていたらしい。


それで勇者はその後は聖国に行って、連合国に行ってその後帝国に行く考えらしい。まあ確かに遠いけど帝国の道が封鎖されているなら、その道しかないだろう。


この四つの国々は一つの天道山と言う巨大な山を中心に建てられている国々であり、北は帝国、東は王国、西は連合国、そして南が聖国になっている。それから曰く魔王城は帝国の北東方面にあるらしい。


つまり勇者は非常に遠回りをして魔王城に行くと言う事だ。僕達も聖国に行ってみたいと思っていたから、いつか会う機会があるかもしれない。ちなみに村の亡びについては言っていないらしい。その事をなぜ言って来たのかは分からないけど、何か嬉しい気持ちになったような気がする。

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