第30話 勝利へ!つながる打線

 直方産業高校との初戦は6回表、1点リードの桃園中央高校モモコウは4番・皆川慶彦エースが右打席へ。朝岡サウスポーの初球は低めを狙ったが外側アウトサイドを外れた。2球目、やや低いが~ここだ~と反応。バットを上からスムーズに出して振り抜くと「カッキィーン」と快音を残して鋭い打球が二塁手セカンドの頭上を越えてバウンドしても勢いが落ちない。どんどん転がり深めに守っていた中堅手センター右翼手ライトの間を抜いてフェンスまで行くのを見て全力疾走、二塁を踏んでも勢いを緩めずに楽々の三塁打スリーベース。5番・大杉はまた四球フォアボールで歩き、6番・岡村の遊撃ショートゴロの間に皆川エース本塁ホームを踏んで2点目。

 桃園中央モモコウのビッグイニングは7回表。9番・森主将キャプテンが豪快にフェンス《右中間》に当てる三塁打スリーベース。1番の大下が力んだ朝岡サウスポーから前進守備の右翼手ライトの前に落ちるヒット、森主将キャプテンがホームインで3点目。バックホームされる間に大下は俊足を飛ばして二塁打ツーベースにした。

 ベンチでは森主将キャプテンをハイタッチで迎えて大盛り上がり、マネージャー有紗ともタッチできた嬉しさと恥ずかしさで耳まで赤くなった。

 勢いに乗って2番・土井が犠打バントで大下を三塁サードに送り、3番・柴田は中堅センター前ヒットで大下を本塁ホームを迎え入れて4点目。

 4番・皆川慶彦ヨシヒコは気落ちした朝岡サウスポーが投げた絶好球を逃さずフルスイング。

「クゥアカキィィィーン」

 鋭い金属音の打球は三塁手サードの頭上をライナーで越えて、そのままの勢いでラインドライブを描きながら92mと表示されたフェンスを越えて左翼レフトポールすぐ右の観客席スタンドに飛び込む2ラン本塁打ホームラン皆川慶彦ヨシヒコが遂に公式戦で初本塁打ホームランを放って6点目、スコアボードに「4」が入った。

 ベンチも大騒ぎだが、その上の観客席スタンドの山鹿麻矢も森本麻衣子も思わず立ち上がり、山本由香里は立ち上がれないほど感極まって泣きだしてしまった。

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