第10話 野球部エースとの対決は

 7番の山鹿麻矢はヒット性のファウルのあとカウント2‐1からの4球目、皆川慶彦エースは速球で勝負にきた。麻矢は高いと見たが上から被せるようにバットを出した。パシッと乾いた音で低い打球は右中間へ。かなり深く守っていた中堅手センター左翼手レフトより手前で弾んだがそのまま速い球足で抜けていく。でも意外に早く返球がきて本塁打ホームランにできず三塁打スリーベース止まり。これで2人が本塁ホームを踏んで2点リードに。

 芸術クラス側は歓喜の大騒ぎ!

「やったあ~、スゴイスゴイ、勝てるわよみんなあ~」

 女子たちは生還してきた麻衣子とハイタッチの嵐だ。


 4時限目が終わり、昼休み開始のチャイムが鳴った。

 広津アンパイア

「次が最終回、芸術クラスは早く守りに着いて」と勧告した。

 

 芸術クラスが守備についた時、気がつくと周囲がざわついてきた。学食や売店に行く生徒たちが足を止めてギャラリー《見物客》になっていたのだ。

 グラウンド沿いの部室そばに立てかけていた白板ボードに試合経過を示す得点スコアが記されていたので、ギャラリー《見物客》たちがクラスマッチのことを、しかも特進クラス芸術クラスと知ったようで、勝手に盛り上がっている。


 特進クラスの最終回の攻撃は1番の女子から。

「麻衣ちゃん、まだ投げられる?」

「うん、アタシ頑張っちゃうよ」と青いグラブをポンポンと叩く。

「よっしゃ、めざせ完投、あと3アウトよ」

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