おねショタ好きな俺は転生したら異世界生活を楽しみたい!
井伊 澄州
序章
俺はどこかわからない場所にいた。
俺の名は
どうも俺は死んだらしい。
おいおい!ちょっと待て!
何で俺は死んだんだっけ?
あまり記憶が定かではないのだが、死んだという記憶だけは一応ある。
病気でも事故でもない・・・そう言えば記憶の最後に頭が痛くなった気がする。
すると脳溢血か何かで死んだのだろうか?
齢45歳、親も亡くなって天涯孤独だったが、それなりに生活はしていた。
一番の心残りは嫁さんはおろか、彼女すらできなかった事だが、例え時代が平成の世から令和の世に変わっても、こればかりはしょうがない。
ましてや俺はオネショタ好きだったので、若い頃に年上の彼女でも出来ていない限り、どうしようもない。
何しろ年を食っても、外見はおっさんになっていくが、恋愛感覚だけは10代程度のまんま進歩しないアホだったからなあ・・・せめて中学か、高校の頃に年上のお姉さんと出会えれば良かったのになあ・・・まあ、今更悔やんでも仕方がないので今後に生かそう。
うん、前向きだな。
さて、ところで、ここは一体どこだろう?
俺の目の前には宇宙空間のような場所が広がっており、俺はその場所にポツンと浮かんでいる。
死んだのはともかく、ここは一体何なのだろうか?
「やあ、気分はどうかな?」
突然、どこからか声がしたが、俺がキョロキョロと周囲を探しても、どこにも誰も見えない。
「ああ、いくら探しても、私の姿は見えないよ」
「誰?」
俺の質問にその「声」が答える。
「それは中々返事に困る質問だね。
そうだな、君たちの世界の言葉で言えば、一番近い表現をするならば「高次元管理知性体」とでも言えば良いのかな?
まあ、面倒ならもっと簡単に「神」でも良いよ」
「神?」
「まあ、似たような物さ、私はある世界を司っているからね」
本物かどうかはともかく、いきなり神を名乗る者が、自分に話しかけてくるとは驚きだ。
「その神様が何の用です?」
「実は君に頼みがあってね」
「頼み?何の用事です?
ところで姿が見えないのは話しにくいので、こちらの目に見えるように姿を現して話してもらえませんか?」
俺の要望に相手が答える。
「こうかい?」
その声と共に、俺の目の前に、ギリシャ風の賢者のような姿の若い男が現れた。
「まっ、姿なんかどうでもいいんだが、君の私に対するイメージと、私の観点を摺り寄せると、妥協点はこんな感じかな?
固定観念が生まれるので、あまりお勧めはしないけどね」
若い賢者が笑いながら話し続ける。
「実は君に、とある世界、まあ、それが私の司る世界な訳なのだが、そこに転生して欲しいんだ」
「転生?」
「ああ、というか、君には事後承諾で悪いが、もうこれは、ほぼ決定事項なんだ」
「決定事項?どうしてです?」
「私がそう決めたからだ。
ホウジョウ・シノブ君、君はもうその世界に転生するか、元の世界で生まれ変わるか、その2択しかない」
「それだったら元の世界に戻してもらった方が・・・」
いきなり出てきた怪しい自称神だか何だかの話を聞いて、そんな訳のわからない世界などに転生したくはない。
それなら元の世界で十分だ。
しかし、そう返事した俺に自称神様は笑いながら話し続ける。
「まあ、そう結論を急ぎなさんな。
ちょっと聞きたいんだが、そもそも君は以前の世界にそんなに未練があるのかい?」
確かにそう言われると返事に困る。
別に今まで生きてきた人生が順風満帆という訳ではなかったし、思い出しても正直満足した人生という訳ではない。
しかしだからと言って、知りもしない変な世界に転生されるのはごめんだ。
「それは確かに微妙ですが、しかしそれと比べて、これから転生する世界の方が良いと言うこともないわけでしょう?」
しかし、神様とやらは俺の発言をあっさりと否定する。
「いや、そっちの方が君に取って、断然、得なのは間違いがないと思うな」
「なぜです?」
「なぜなら元いた場所に生まれ変わるなら、以前と似たような境遇だが、私の司る世界に転生するならば、君は可能な限りの特典を受けられるからだ」
「特典?可能な限りの?」
何だか、電話で勧誘する怪しげな商売か、宗教みたいな話になってきたぞ?
「つまり、大資産家の子供に生まれたり、非常に高い才能を持って生まれるという事が可能なのさ。
何ならどこかの国の王子でもいい」
「ははあ・・・」
なるほど、いわゆる有利な条件をつけてもらっての異世界転生という奴か?
生きていた時にそれなりにその手の話は読んでいたので、俺がそう考えると、その俺の思考を感じ取ったのか、自称神様がうなずく。
「まあ、そんな感じではあるな」
「転生するのは、どういう世界なんですか?」
少し興味を持った俺が質問をすると、自称神様が即座に答える。
「君の今までいた世界で言えば、いわゆるファンタジーな魔法世界だな」
「つまり剣と魔法の世界という訳ですか?」
なるほど、御約束ってやつか。
「そうだよ。
人間や魔物には年齢以外にレベルがあって、魔法があって、それで火炎や凍結も可能、使役物体魔法というので、いわゆるゴーレムなんてのも作れるよ。
鑑定魔法で各自の能力なんかもわかるね。
お約束で「マギアサッコ」という収納空間魔法が扱えるようになって、その中に色々と物を入れることもできるよ。
収納に限りはあるけどね。
全体的には君が今まで生きてきた世界に例えれば中世の世界に近いね」
レベルね?
つまりその世界で魔物を倒したりすれば、レベルが上がり強くなれるって訳か?
しかも魔法が使える・・・って、そんな世界が本当にあってたまるか!
そう思った俺は自称神様に言ってみた。
「しかし魔法なんて物が、本当にある訳がないでしょう?」
「そんな事はないさ。
君たちは自分の世界は3次元空間だと思っているが、実際には君たちの住んでいる場所は、カラビ・ヤウ10次元多様体だからね。
そこでは本当は魔法が使えるんだが、君たちの世界ではほぼ使えない。
しかしこれから転生する世界では魔法が使える。
そういう事だよ」
むむむ・・・
確かに最新の物理ではこの世は3次元ではなく、10次元だというのは聞いた事がある。
だがしかし!そんなカルビだかカピバラみたいなもんは知るかい!
それでもその転生とやらには興味はあるので、話を進めよう。
「そこでは俺にも魔法が使えるんですか?」
「それは君の望み次第だね」
「その世界に転生できると?」
「その通りだ」
「どういった形で転生できるのですか?」
「それは君の希望しだいだ。
金持ち、王子、魔法使い、その世界で可能な限り、何でもござれだ。
その世界の法則に反するような事でなければ、およそ大抵の希望は叶えよう」
何でもござれときたもんだ。
こりゃまた随分と大盤振る舞いだ。
普通こういうのは、何か一つか二つ、こちらの希望を聞く程度の筈だが、何でも叶えてくれるとは、神ではなくドラ○もんか?
それにしても突出した能力を一つ二つならともかく、何でも望みをかなえるとはいくら何でも条件が良すぎるだろう?
「何でそんなに気前がいいんです?」
どう考えても自分は何の変哲もないただの人間だ。
それを転生させるのに条件が良すぎるのは怪しい。
「私にとって、君がその世界に転生する事が必要だからさ。
だから私も少々、いや、かなりの無理は聞くつもりでいる」
「必要?私なんて何の変哲もない人間ですよ?
自分で言うのも何ですが、こんな人間程度なら、もっと能力の高い人間がいくらでもいるでしょう?
何で私がその世界に転生する事が必要なんです?」
「その説明を君にするのはかなり難しい。
ま、とにかく私の世界に君が必要と言う事だけわかってくれればいいさ」
何だかよくわからんが、自称神様に色々と聞いてみた所、要は俺がその世界の修正とやらに必要な人材なので、俺が死んだのをこれ幸いと頼みに来たそうだ。
もっとも修正と言っても俺は特にする事はなく、好き勝手にしてよいらしい。
俺の存在自体が、その世界の修正につながるのだそうだ。
そしてただ頼むのは心苦しいので、俺に色々と特典をつけてくれるらしい。
なんだか至れり尽くせりって感じで、怪しすぎるので、俺は逆に転生するデメリットを聞いてみたのだが、それは俺次第という事らしい。
どういう事かと聞いてみたら、どんな能力を持っても、本人の使いようで、幸も不幸も、どうにでもなってしまうからだそうだ。
つまりデメリットがあるとすれば、俺の判断の結果のみという事らしい。
なるほど、言われてみりゃ納得だ。
猫型ロボットにいつも便利な道具を出してもらっている奴は、大抵それを使いこなせなくて、痛い目に会う事が多いからね。
俺も小学生の頃は友人なんかと「自分があの立場だったら、絶対にあんな馬鹿な事はしないのに!」ってのを実地でやらされるって事か?
しかし回答をする前に、俺はその世界の事を知ってみたかったので、まずはその世界の事を書いた本を自称神様に要求して読んで見る事にした。
「ところで、これからの事を考えるにしても、転生する先の事が何もわからないでは、どうしようもないので、出来ればこれから転生する世界の詳しい書物などがあれば嬉しいのですが」
「それは懸命だね、しかし君が望むなら一瞬で、その知識を全て君の脳に刷りこむ事も可能だよ?」
「いえ、一辺にたくさんの知識が入ってくると混乱しそうなので、じっくりと順番に覚えながら考えたいので、字と絵で知識を得たいと思います。
時間も十分あるようなので、できればその世界と、特に魔法に関する知識を得たいので、そのような詳しい本をお願いします」
「うん、わかった」
神様がそういうと、その場に机と椅子が現れて、机の上に分厚いガイドブックのような物が2冊現れた。
一冊には「アースフィア世界の歩き方」もう一冊には「アースフィア世界魔法大全」と書いてある。
「では、良いかい?」
「はい、後は自分で考えてみます」
「うん、では考えが決まったら呼んでほしい」
「はい、ありがとうございます」
俺が素直に礼を言うと、目の前から神様の存在と気配は消えた。
神様もいなくなり、再び宇宙空間に一人ぽつねんと残された俺はイスに座った。
「さて、それじゃまずは、このガイドブックを読んでみるか」
どうやらこの表題になっている「アースフィア」というのが、俺の転生する世界の名称らしい。
俺は「アースフィアの歩き方」というガイドブックを広げた。
るるぶとか地球の歩き方みたいな感じで色々と説明してある。
まずはざっと読んでみた結果、かいつまんで言えば、自分がこれから転生する世界「アースフィア」は大きさは地球とほぼ同じ大きさの球体で、いくつかの国に分かれていて、全体を統括する国はない。
その辺は21世紀の地球と同じだ。
ただし、まだまだ空白地帯も多く、人口は21世紀の地球に比べればかなり少ない。
科学の発展は紀元前から最先端でも16世紀程度が混ざった世界のようだ。
これは情報の伝播が遅いので、国によってかなりの差があるためだ。
つまり大雑把に言って、古代ギリシャ辺りから中世ヨーロッパ辺りまで色々って事ね?
言葉は多少の方言や種族語もあるが、だいたい一つの言語でまとまっている。
そして文字もだ。
これは魔法が大きく関係しているようだ。
通貨の単位は「ザイ」で、これもほぼ全世界共通らしい。
通貨単位が違う場所でも、金や銀そのものが通貨として使えるようだ。
従って銅貨はともかく、銀貨や金貨は世界共通の通貨と思って良い。
そして神様の話した通り、このアースフィアには「魔法」が存在し、それはかなり重要な役目を果たしているようだ。
まあ、魔法なんて便利な物があれば当然そうなるだろう。
ただし、アースフィア全体でも魔法使い自体の存在はそこそこ珍しいらしい。
「なるほどねぇ」
魔法の項目を読み終えた俺は感心した。
まるで大作RPGゲームの説明書を読んでいるようで、本当に今から自分がここに行くのかと思うと驚いたし、正直ワクワクもしてきた。
それからどれ位の時間が過ぎたかわからない。
ガイドブックを2冊とも全ての内容を暗記するほど読んだし、それで色々な世界を想像しても見た。
これ以上の事は実際に行ってみなければわからないだろう。
自分が転生する時の状況や能力もだいたい考えた。
しかしその前にいくつか聞きたい事があった。
「神様よろしいですか?」
俺が呼びかけると、即座に神様が現れる。
「決めたかい?」
「はい、だいたい決まりましたが、いくつか質問をしたいのですが、よろしいですか?」
俺は神様にいくつかの事を質問してみた。
世界の事、魔法の事、持ち物制限の事と色々と聞いてみた。
神様は何でも気前よく答えてくれて俺は大いに参考になった。
例えば治療魔法の中には、どんな病気や怪我でも治せる魔法があるらしいが、その魔法を使える人間は非常に珍しいので、俺が生きている間に会えるかどうかもわからないそうだ。
うん、色々と凄いな?
そこで、いよいよ本格的に自分の能力や、持って行く物を考え始める事にした。
赤ん坊からの転生だと面倒そうなので、旅の風来坊で転生するのは決定として、能力と持ち物はどうするか?
魔法を全部知っていて、レベル900というのも確かに凄いが、それではどうも面白くないし、いきなり全ての魔法を使いこなすのも大変そうだ。
それにそれを知った周囲の反応も怖いし、化け物扱いされるのも、自分としてはあまり好ましくはない。
やはり魔法はある程度順番に覚えていった方が良いだろう。
それにレベルアップの楽しみもある。
剣と魔法の世界で、いきなり最初からレベルが900で、その後全く同じというのは正直自分的にはつまらない。
しかしそうかと言って、レベル1から始めるのは流石に危険だろう。
これだけ考えて転生したのに、いきなりその辺の最弱モンスターにやられて死ぬのは悲しすぎる。
うん、レベル1はやめておいた方がいいな・・・もう少し上のレベルから始めよう。
それならば余程の事がない限り、いきなり死ぬ事はないだろうし、レベルアップも楽しめる。
不安な部分は装備を良い物にすれば大丈夫だろう。
魔法もいくつかの初歩的な魔法だけで、後は順番に覚えて行けばよいだろう。
そういう意味では才能数値はやはり高い方が良いだろうな。
しかし全ての数値を99にするのも気が引ける。
どうするべきか悩む所だ。
一方、持ち物の方はどうするか?
まず金貨・銀貨の貨幣の類はマギアサッコに入るだけは貰っておいた方が間違いないだろう。
そこなら持ち運びの邪魔にもならないし、誰かに盗られる心配もない。
金(かね)というのは持っていなければ困る時は往々にしてあるが、ありすぎて困るという事はないのは前の人生で学んでいる。
マギアサッコに限界ギリギリまでの貨幣をもらって、後は何枚か簡単に持ち運べる程度の枚数の金貨や銀貨を貰えばよいだろう。
20枚・・・いや、10枚前後で良いだろう。
何日、何週間、いや何ヶ月か?
俺はとにかく考えた。
細かい所まで想定して何が必要かを考えた。
だってこれで自分の人生が決まるとも言える事だもんな。
そりゃ色々と隅々まで考えるさ。
長い間、色々と考えて、何とか転生条件を考え終わった俺は、再び神様を呼ぶ。
「神様、決まりました」
即座に神様が現れて、話しかけてくる。
「いよいよ決まったかい?」
「はい」
「では聞かせてくれ」
「わかりました。
それでは私の転生の条件を言います」
「うん」
「かなり贅沢な事になってしまいましたが、本当にそれで良いのでしょうか?」
「もちろんさ」
俺は考えをまとめて紙に書いた事を順番に読んでいく。
心なしか神様がわくわくしているように見えるのは気のせいか?
「まず能力の方ですが、最初のレベルは10で結構です」
「へえ?10でよいのかい?」
これは自分でも散々迷った事だ。
この世界ではレベルは1から999まである。
通常は5から30前後位らしい。
つまり900とは言わないまでもレベル100辺りで転生すれば、およそ敵はいないだろう。
しかし、それではレベルアップの楽しみがなくなるし、正直自分がどれほど強いかもわかりづらい。
少々危険かもしれないが、あえてレベルは10にしたのだ。
これならばいくら何でも即死という事はないだろう。
「ええ、その位でないと楽しめそうにないので・・・
その代わりと言っては何ですが、転生する場所はレベル5程度でも相手になる物しか出てこない場所にしてください」
臆病かも知れないが、何しろ自分の命がかかっているのだ。
これは用心深いのだと自分では思っておこう。
そう考えるなら最初からレベルをもっとあげておけば良い訳だが、それはどこまでも堂々めぐりだ。
レベル100だって200だって、やられる時はやられるのだ。
「承知した」
「魔法は一番下の火炎魔法と凍結魔法、同じく、最低の回復魔法、それと一番低い使役物体魔法と鑑定魔法、照明魔法だけで良いです」
「それも、たったそれだけで良いのかい?」
「ははっ、あとは徐々に覚えていきますよ。
毒とか麻痺とかは装備で何とかなるんでしょう?」
「ああ、そうだよ、状態異常回復装備をしていれば、毒を食らってもすぐに無毒化するし、麻痺や石化も大丈夫だ。
せいぜい数秒動けなくなる程度で済むし、レベルが上がれば全く無効さ」
「それなら最初はその程度で良いと思います。
残りは後のお楽しみという事で」
これもレベル同様、十分に考えた事だった。
毒や麻痺などの状態異常は恐ろしいが、それは全状態異常回避の装備があれば、大丈夫なので、最初は純粋に回復魔法だけで十分だろうと判断した結果だった。
「うん、そうして楽しみながら人生やっていってもらって結構だ」
「なるほど、それと鑑定魔法もいくつかあるんだが、どれにする?」
「最初は一番基本の鑑定魔法で良いです。
あ、でも完全鑑定魔法もつけておいてください」
「完全鑑定魔法はレベルがかなり高くならないと、発動しないが良いかい?」
「それで構いませんのでお願いします」
「それに鑑定魔法はあまりレベル差があると、相手の数値や情報がわからない部分も出てくるからね?」
「はい、わかりました」
「うん、それから?」
「自分自身に戦闘経験値30倍増というのをつけたいのですが、できますか?」
これはつまり自分の経験を30倍にして、レベルを通常の30倍の速さで上げていこうという作戦だ。
これなら単純計算で、普通の人間が1ヶ月かけて上げるレベルを1日で可能なはずだ。
「それはちょっと難しいな・・・まあ、何とか大丈夫か。
なるほどそれならレベル10から始めてもすぐにレベルが上がっていくから良いね」
「はい」
「それから?」
「基本は人間男子で肉体年齢は15歳くらいで、見た目は、そうですね・・・
相手に警戒心を持たないで欲しいので、童顔で幼い感じ系な顔にしておいてください。
女子と見間違う位でも良いです。
そして3百年位をかけて見た目が30歳位までになって、その後はゆっくり老けていって、寿命は500歳くらいにしてもらえますか?」
相手に警戒されないように少年の姿というのは事実だが、真の理由は俺がオネショタ大好き人間だからだ。
はっきり言って俺は「お姉さんと少年」という関係に憧れている。
私はオネショタが好きだ。
諸君、私はオネショタが好きだ。
諸君!私はオネショタが大好きだ!
隣のお姉さんと坊やでも良いし、学校の先輩と後輩でも良い、
金持ちの息子とその年上メイドなども最高だ!
女教師と少年など心が踊るッ!
と、どこかの少佐のように演説をしたくなるほどだ!
はっきり言って転生などが出来るならそれが一番の目的だ。
あ、それと魔法なんて物があるなら、実際に凄く使ってみたい。
残念ながら前世では縁がなかったが、今度の世界では是非それを実行したいと思って、それにふさわしい容姿にしてもらう事にした。
これなら3百年近く時間はあるので、きっとオネショタを体験できるに違いない!
出きるといいな・・・出来て欲しい・・・うん。
少々弱気だが、設定は自ら作った。
後は俺の行動次第だろう。
我ながら言いたい放題だなと思うが、神様は涼しい顔で答える。
「人間の男子で肉体年齢は15歳だけど、顔は童顔女子系、それだと見た目は12・3歳くらいになるね。
3百年かけて見た目は30歳に、寿命は500年でゆっくりと老化だね、承知した。
大丈夫だよ」
「才能は魔法関係だけ99で、あとは70から90位にしておいてください」
「承知した」
この数値なら魔法関係は完璧だし、他の事でも、そうそう困る事もないだろう。
そして次は持ち物だ。
持ち物はマギアサッコがあるので、かなりの数を持てるのが嬉しい。
しかもマギアサッコにはかなり大きな物、自分が手で持てる位の物ならば入れられるようだ。
もちろん普通のリュックの中にも物を入れる事もできる。
俺はまずは金貨、銀貨、銅貨などの貨幣を6種類全てマギアサッコに入れられるだけ入れて、さらにすぐに使えるようにそれぞれ10枚ほどは、背袋にも入れてもらった。
「そういえば、アースフィアでも、魔法で金とか銀を合成する事は出来ないんですよね?」
「ああ、そうだよ。
魔法でも元素の合成は出来ない。
もし、そんな事が出来れば、金や銀の価値がおかしくなるし、そもそも金貨や銀貨の流通が成り立たなくなるからね。
ただし、魔素で見かけや強度は似たような物を作れるけどね」
「では、金や銀の価値は地球と同様で、かなり希少で高価ですね?」
「うん、だから金貨や銀貨が流通貨幣になる訳だからね」
「アースフィアの重さの単位って何ですか?」
「グラムに相当する物は「ガルン」だね。
重さの差もほとんどない。
1グラムは1ガルンだと思ってかまわないよ
ちなみに1キログラムは1カルガルンだ」
「それでは金の延べ板を10カルガルンにして100個ください。
それと1カルガルンの延べ板も100個」
「了解した」
その俺の途方も無い要求も、神様はあっさりと承知する。
この際だ。
何でも持たせてもらえるのだから、転生先での金銭に関する心配は無くしておこう。
これで俺の金の所有量は地球の重さで言えば、1トン以上になるはずだ。
アースフィアの相場はわからないが、金銀の価値は地球よりもずいぶん高いようだから、これだけ貨幣と金の延べ板を持っておけば、よほど馬鹿な事をしない限り、一生金には困らないはずだ。
経済的な問題に関しては、これで一安心だろう。
他にも様々な物を要求した。
武器、防具、特殊装備品、キャンプ用品や日用品、文房具など、思いつく限りで、マギアサッコに入る限りの物を頼んだ。
それとあちらにあまりないと聞いて米や小豆、出汁粉、日本酒、醤油などの食料品や調味料や香辛料、植物の種、そして念のために砂糖、塩、ジャガイモ、さつまいもなどのありふれた物も持っていく事にした。
中には機械製品やあちらの世界ではありえない物など、多少却下された物はあったが、俺が要求した品々の大半の物を、神様はあっさりと持たせてくれる事となった。
「他には何かあるかな?」
「そうですね、そういえば知識も植えつけてもらえるんでしたよね?」
「ああ、大丈夫だよ」
「では醤油と砂糖と日本酒、重曹、グルタミン酸ナトリウム、出汁の素のアースフィアでの詳しい作り方と知識を私の頭に入れておいてください。
実際にあちらで作れる程度の知識を」
この品物は全て基本的な消耗品だし、あちらではあまりないようなので、自分でゼロから作れるようになっておいた方が良い。
一応、材料や製造法は漠然と知ってはいるが、詳しく知っている訳ではないし、あちらの材料と道具で実際に作れるかどうかはかなり怪しい。
そう考えて俺は神様にその知識と製造法を頼んでみた。
「なるほど、承知した」
神様がそう言うと俺の記憶の中にそれらの製造法が刻み込まれた。
よし、これであちらで基本的な調味料は作れるはずだ。
俺は料理をするのも結構好きなので、これはありがたい。
ほぼ品物の要求が終わった俺に神様が言った。
「他には?まだ何かあるかい?」
「大事な事を言い忘れる所でした。
現地の言葉はわかるように、文字も現地の読み書きができるようにしておいてください」
「それは言われなくても大丈夫だよ」
「それと今言った持ち物の他に、この本とノートも持っていって構わないですか?」
「構わないよ。じゃあ背袋にでも入れておくかい?」
「それでお願いします」
「うむ、他に言っておく事はないかい?
ここで私と別れたら、もう会う事も、願う事も出来ないよ?
あっちでいくら神様お願い!と願っても、それは私には届かない」
神様本人に、初詣で願掛けに行く人間が聞いたら、卒倒しそうな事をさらっと言われた。
転生したらもう神も仏もないってことね?
もっとも何ヶ月か何年かわからないが、散々考えた結果だ。
もちろんこれでもまだ予想もしなかった事や困る事もあるだろうが、贅沢を言ったらきりがないし、そもそもこれだけでも冗談のように贅沢なのだ。
こんな贅沢な人生を始められる人間はまずいない。
これだけでも十分過ぎるほど贅沢だが、これ以上は自分の力で何とかするしかないし、そもそも本来、それが当然だろう。
「はい、大丈夫です。色々と贅沢な希望を叶えていただいてありがとうございました」
「では、行ってくるがいい」
「はい、お願いします」
「ああ、それと君がオネショタを楽しめるように、体の方は、見た目以外にも、ちょっとオマケしておいたからね」
え?何それ?
最後に聞こうと思った瞬間、その言葉と共に俺は意識を失った。
いよいよ新世界へ転生だ。
一体どんな世界だろうか?
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