第13話 妹

「ただいま。」


そう言って帰ってきた私が見た風景は…


「それは茉理が悪いでしょ!」


「いいや、咲璃が悪い!」


(はああ…)


変わらず妹たちの喧嘩だった。


(いつになったらやめてくれるんだろう。もう喧嘩なんて見たくない。)


そう思っていつものように喧嘩を止めに入る。


「こらこら。二人とも喧嘩はやめな。何で喧嘩ばっかりしてるの。」


「だって、咲璃が宿題の邪魔してくるんだもん。集中できないよ。それでやめろって言ったらこうなって。」


「だって茉理も前におんなじことしてきたじゃん。これはその仕返し。」


「はいはい。二人とも。それはどっちもどっちじゃない?喧嘩はやめて。お互い謝って。」


「・・・ごめん。」


「ごめんねー。はい。それでいいんでしょ?」


「もう。だめ。咲璃、ちゃんと謝って。」


「ごめんなさい。」


「もう喧嘩はしないでね。」


(・・・とは言ったけど、大体いつも直後からまた喧嘩始まるんだよね。)


そんなことを考えながら、自分の部屋に向かう。


ついた直後から、また叫び声と罵声が聞こえてくる。


両親も止めようとしているが、二人の喧嘩は収まらない。


(いつから二人って中悪いんだろう。覚えてないときから中悪かったってことなのかな。)


でも、その時私はふと思い出した。


(そうだ。二人はあの時から…)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る