”ぽん太号”とゆく軽自動車生活

尾野灯

第1話 やばい、中断証明の期限がヤバイ

10年住んだ東京から大阪の片田舎に引き揚げ、しばらくはカーシェアリングでしのいできたものの、片田舎だと車がないとやはりどうにもならぬ。


ゴルフの打ちっぱなしに行くにも、釣りに行くにも、キャンプに行くにも、なんなら灯油を買うのだって、友人の車とカーシェアリングが頼りではどうにも不便なのだ。


(ちなみに、灯油を買うのはカーシェアリング車では禁止である、こぼすと臭いからね)


とはいえ、車など中古車しか買わない上に、車趣味のおじさんにとって、大阪の片田舎では、買える車の選択肢はそう多くない。


ジャガーSタイプとか中古車サイトみても載っていないのだ。あったとしても程度がひどい、東京だと売るほどあったのに。


さらにダメ押しに、折しものウクライナ情勢悪化によるアホみたいなガソリン高がどうにもならぬ。


レギュラー165円だの、ハイオク170円だの今までぼくの人生史上見たことがないような値段のガソリン。これはいけない、リッター5キロとか4キロのジャガーを買ってしまうとろくに乗れないではないか。


まあ、そのうち落ち着くだろう。落ち着いたら程度のジャガーを探そう。そう思っていた矢先ふと気が付いた。


そう、自動車保険の中断証明書の期限である。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る