早朝の、シャッター通りな商店街で…

紀之介

知らないの?

「…何あれ」


 早朝の、シャッター通りな 人影のない商店街の道。


 足を止めた真瑠さんは、半ブロック先を凝視しました。


 1/4歩ほど後ろを歩いていた樹由さんが、隣に追い付きます。


「知らないの?」


「え?! 知ってるの??」


「あれはね、<雪だるま>って言うんだよ」


「は?!」


「因みに、材料は雪なの。」


「─ あんた、私をバカにしてる?」


「いや、真瑠ちゃんが 知らないって言うから」


「<雪だるま>は、知ってるわよ。」


「じゃあ、何?」


「今は、夏よ??」


 真瑠さんは、声を裏返しながら指さしました。


「何で、この季節に<雪だるま>があるのかって事!」


「暑さに強い子なんじゃない? 南国生まれだとか」


「は!?」

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