レッツcooking
「これに懲りたら反省するようにね…」
梓が僕の家の場所等を玲緒奈とよーちゃんに教えたり、主に、僕に関する情報の売買をしていたそうだ…。
通りで玲緒奈とよーちゃんが、入学式の翌日に僕の家の場所を分かっていたわけだね…。そして、梓の場合は、家が近所のため僕の情報を知っていたらしい。
とりあえず、彼女達に道徳の話をし続けて、次、同じ事やったら、一週間、口を聞かない
そんな彼女達を抱きしめて、落ち着かせる。
正直、僕のお母さん達がどうなったのか…と気になったので、純白のカーテンを右手でずらして、自室の窓から外を眺める。
——あれ? 三人共いなくなってる…?
顎に左手を当てながら考えるが答えは見つからない。
そのため、一旦下に降りて、玲緒奈とよーちゃんにミルクをあげるためと、未だに半泣きの彼女達へ、一言告げて僕は扉を開け、階段を駆け降りる。
——ん…下の方から笑い声…?が聞こえる…?
仲直り? 意気投合できたのかな? と思いながら、扉を開くと…まだ、15時、夕日が顔を出すほどの時間にもかかわらず…リビングルームにいたのは赤い顔でお酒に負けている先程のメンチを切らしていた大人達だった。
——お母さんはソファーでだらしない姿で寝転がっていた。
——よーちゃんのお父さんは…絨毯の上で寝転がっていている。
——玲緒奈のお父さんは、椅子に座りながらふははは!!……い…どこ…と寝言を呟いていたのだ。
彼らの姿を見てため息を吐きながらも、それで幸せならいいやと思い、冷蔵庫から、ミルクとダイニングの机にあるドーナツを取って、と自分の部屋へと逃げ帰る。
——ぼ、僕は決して怯えていないからね!!
『いや、どう見てもチキンなのじゃ』
——アフロディーテェェェェェ!!
◆◇◆◇
「ほら、玲緒奈とよーちゃんのミルクとドーナツどうぞ!!梓の分はないからねー!!僕のお母さんお手製のクッキーを一人で食べたでしょー!!」
「ふ、ふぁい」
またもや梓は、玲緒奈とよーちゃんに両頬を一つずつつねられながら、なんとか僕に応答する。
「それよりも穂花…なんか疲れてそうだけど…大丈夫すかか?」
「玲緒奈、奇遇ね!!下の方でなんかあったの…?」
梓以外は先程の正座よりもリラックスしており、ベッドからよーちゃんは足をプランプランとさせ玲緒奈は、お姫様座りしている。
「ん…大丈夫!!ただ、晩御飯は僕の手料理になりそうだけど…それでもいい?」
——料理をするのも久しぶりすぎて、三人のお口に合えばいいんだけど…
『梓とやらは兎も角…太陽と月は主の料理なら、なんでも食べて美味しいと喜ぶと思うのじゃ』
——え、えへへ。もうアフロディーテったらお供物一つプラスしてあげる!!
『主の扱い方…分かってきたのじゃ』
「え゛、穂花、料理できるの!?」
「さ、さすが…穂花です!!」
ある程度、予想はしていたけど、お嬢様達は僕が料理できることに驚いている。
「一人じゃ大変だよね? 梓が手伝うよ!!私の家貧乏だから、よく作ってるんだよね!!」
「「ちぃ…」」
「こらこら、二人とも!!梓をいじめたらダメだよー!!うん!!助かるよ。よろしくね?」
その後、梓と一緒に階段を降りて…ダイニングへと向かい、冷蔵庫を開ける。僕のお母さんは、手料理が多いため、食材は毎度、豊富にある。
「僕はポテトサラダとかぼちゃスープと後はりんごがあるからアップルオレでも作ろうかな…?」
「穂花がメニュー以外を担当するなら、梓は…ドリアでも作らせて頂こうかな?」
「任せるね!!」
僕はジャガイモを茹でながら…にんじん、玉ねぎを切り…りんごと牛乳と砂糖をミキサーにかける。
アップルオレを冷蔵庫の中に入れて冷やした後、今度は茹で上がったじゃがいもを取り出し、マッシャーで潰した後、かぼちゃスープの準備をしながら、その間に玉ねぎとにんじんに火を通す。
火が通れば、ポテトサラダを味付けして、かぼちゃスープへ余った玉ねぎを入れて、味を整えたら完成——
◆◇◆◇
梓の方も順調みたいで…ホワイトソースを作り終えて、オーブンに入れる所まで進んでいるようだった。
——料理を作りながら、梓を見ていたけど…彼女は僕よりも手慣れているね…。それにしても…家庭的な女の子っていいなぁ…。梓をモブキャラに設定していたことを過去に戻れるなら、描き直したいくらいだ。
僕達が作り始める前は夕陽が顔を出している頃だったが、作り終える頃には、夕陽が沈み、夜空へ星が住んでる人々へ挨拶しようとする時間だった。
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フォロー、レビューしてくださると助かります!!描写を省かない方針のため、かなりスローペースで申し訳ないです!!
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