第9話 スネーク

今侵入している『触手のスネーク』の前世は

スパイであり密偵、暗殺者であった!


前世が思い出せなくても

身体が覚えているというか

触手が覚えている!


エドワードの視覚情報は使えるが

意識のある身体を乗っ取ることはできない!


だが、意識を失ったり

寝ている時は別で干渉権が来る!


深夜、スネークによって王子様がさながら

暗殺者にクラスチェンジする!

顔が見えないローブで包み

熟練の暗殺者になる


音も出させず【サイレントキル】

「グハッ」


後背に立たれたことも気付かせず

プロの暗殺者顔負けの手際の良さで、

裏切り者の敵のスパイを処理して

書き置きを残す!


「毒を盛ったスパイ」


「落とし物は2層の池にある」

「巫女や乙女が訪れれば

聖なる触手が現れ落とし物を返し

加護を与えるだろう!」


胡散臭い怪しい文章である!


次の日、死体が騒ぎになるが、

スパイと判明するものを偶然所持

怪しい書き置きにも信憑性が出る


困ったことが・・・

騎士団に巫女さんの知り合いなどいないし

うら若き乙女もいなかった・・・


団長の娘、アラサー間近の女騎士しか

団長が怖くて誰も言いよるものが

いなかったので純潔の女性ではある


うら若きかどうかは怪しい

それなりに美しいが売れ残りである!


「ま、まあダメ元で」

「なんか文句があるのか貴様!」

「失礼な!」


「それよりも一刻を争う!」


触手は気持ち悪いが戦闘力は無いに等しい

倒しても本来なら得るものすらない

池全部を探すとなると膨大な日数がかかる


既に5層では手に入らない代物

もう選択肢はなかった!

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